真夏のオリオン

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監督  篠原哲雄
出演  玉木宏、北川景子、鈴木瑞穂、益岡徹、吹越満、吉田栄作、平岡祐太、堂珍嘉邦、太賀、黄川田将也、デヴィッド・ウィニング、ジョー・レヨーム

久しぶりに旦那が見に行こうといった映画です。
この映画は微妙です。
例えば第二次世界大戦のことを頭にきちんと措いて見ようとした人には、これはそういう映画ではないと思われるからです。
真の戦争を描くものではなくて、緊張の中の男の集団とその中ではぐくまれたロマンスを描こうとした映画だと受け取れれば、これはさわやかに綺麗に描かれたかっこいい映画です。
多分素直に見れば「カッコイイ男の集団よね?生き方よね?」と思えるので・・・「戦争というものを伝えたい。語り継がねば・・・」というやむにやまれぬ気持ちで作った映画ではないと思いました。日米の戦闘も小奇麗な机上の軍事演習を抜け出ないのです。音を使ったモールス信号、ハーモニカの音、無駄に危険なやりとりに、妙に浪花節的両軍の将の思いやり?武士道のつもり?
で、私はすっきりしない気持ちで頷けないでいます。
戦争を小奇麗に「あんな悲惨な負け方をした戦争にも、立派な軍人、生き残った潜水艦があったんだ、艦長の能力と資質次第では・・・」みたいに描くことに意味があるだろうか?と思うのです。
戦争をこういう目線でこんなに小奇麗に描いていいものだろうか?否!という気持ちが拭えない。
でもその一面、日本の軍がこういう軍人が多く生きられた軍隊だったら?と思わなくも無いのです。
絵に描いたように格好よく軍人を描いちゃいましたものね。玉木さん演じる倉本艦長、クールな声と笑顔で男ならずとも魅了しちゃいますものね。栄作さんも、益岡さんも、吹越さんも良いカッコし過ぎちゃいました。
最後の「艦長の下で戦えた事を誇りに・・・云々」なんて・・・教科書か?と、思うくらいですもの。うん、やっぱりこんな風に書いちゃいけないなという気持ちです。
アメリカ軍にもきちんと敬意を払って、痛みわけは映画の上で?
実際にこんな終末を迎えた艦もあった、という事実を拾い上げたのかもしれないのですけれど、それでもこれは余りに特殊な・・・他の艦長の下、人間魚雷に乗って死んでいったり、海の藻屑となった人たちが浮かばれないじゃないですか。
先日横須賀港で潜水艦が3艦埠頭に浮上して横付けしているのを見ました。思ったより小さくて・・・妙な衝撃でした!
 

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真夏のオリオン 真夏のオリオン
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マンマ・ミーア!

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監督  フィリダ・ロイド
出演  メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド、コリン・ファース、ピアース・ブロスナン、ステラン・スカルスガルド、ジュリー・ウォルターズ、クリスティーン・バランスキー
 

このミュージカルの大雑把な知識はあるじゃないですか?そこにコリン・ファースが出演する意味があるのかな?という興味半分あとはうんと楽しみたくて、出かけました。
で、確かに乗り乗り!
景色は美しいし、物語というよりお伽噺にでてきそうなホテルは可愛いし、それに当然音楽は最高に楽しい。一緒に出かけたのが81歳の奥様だというのに、隣で跳ねていました!
彼女も上気した顔で「楽しかったわねぇ・・・」  ですから、もうこれは全世代共通の音楽になっていますね。最後のおまけのステージがもう嬉しくて嬉しくて・・・途中の‘ムッ’も完全帳消し!
何が‘ムッ’かって言うとコリンのキャラクター(彼、歌は上手いんですよ!前にも書きましたね)と、これは‘ご愛嬌かも’のピアースの歌、そして一番はこれで十分じゃない?何もこの期に及んで結婚なんかしなくたって、メリルさんもうじき60じゃない?今までのように気楽にやっていきましょうよ・・・なんてね。ピアースさんが好きじゃないっていう多分に個人的意見の結果なんですけれど。
目にも耳にも心にも楽しい、本当に楽しい一時でした。
メリルさんにまたもや脱帽!

マルタのやさしい刺繍

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監督  ベティナ・オルベリ
出演  シュテファニー・グラウザー、ハイジ・マリア・グレスナー、アンネマリー・デューリンガー、モニカ・グブザー、ハンスベーター・ミューラー=ドロサート

この手の映画が平日シニアのオバサンでいっぱいになっているのを見ると、本当に高齢化社会だよねぇ・・・と、実感する。
登場人物も高齢なら、見に行く人々も高齢!
先日友人に「毎日何してる?新しいこと何かしてる?」とメールで聞かれて「どうやら、映画・観劇・読書・TV、なまくら路線で落ち着いたよう・・・」と返信したら「同じで嬉しい!」と、返ってきたもの。そういう人が今にゴマンと・・・これからもっともっと?
だからそういうオバサンたちがこんな幸せな顔をして出てこれる映画って素晴らしいと思う。
最初のスイスの風景からもう既に心は奪われる。
私は旅行でただ景色のいいところというだけのところには行きたいと思わない。歴史上の何か、物語り人物、とにかく歴史を感じさせてくれる土地へ行きたいと常々思っているが、こういう映画を見ているとどんな土地にもちゃんと人の歴史があるじゃないか。
「歴史のない土地」なんて思うのは僭越なんじゃないかと思えてしまう。
こんな風景明媚な土地にとんでもなく?頑固で因習と宗教とに縛られてまだ男尊女卑的人間たちが営々と営みを続けているんだ。この今時?日本の男たちより因循でどうしようもない男たち。
そんな社会でも人々は営々と殆ど歴史書に残らないようなささやかな歴史を紡いでいるんだと謙虚な気持ちになってしまった。
小さなおばあさんたちが一つ明るい未来を手に入れたじゃないの、可能性を一つ切り開いたじゃないの、って。
そのささやかな挑戦と団結と・・・に嬉しくなった。マルタの年まで私にもまだ20年ある。親を小さな枠の中に閉じ込めておくことしか考えない聖人面をした牧師の息子の鼻を明かして・・・党の指導者としての体面だけを考える息子をギャフンと言わせて。
私もこうありたい!こうなってやる!と友人と意気軒昂と帰ってきた。
それにしても美しい絹やレースは幾つになっても女を魅了する。ランジェリーともなれば・・・ねぇ?

魔法にかけられて

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監督  ケヴィン・リマ
出演  エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、スーザン・サランドン、ジェームズ・マースデン、レイチェル・カヴィ、ティモシー・スポール、
予告編を見たときから絶対劇場で見ると決めていました!
久しぶりに私の時代の?ディズニーを堪能させてくれそうな予感?
この手の映画ではディズニーの映像に間違いはありませんよ。
で、大正解!
素晴らしい時間でした!
完全にこの映画の世界に入り込めました。
もう、笑った笑った笑った!!!
最近のディズニーアニメの女の子の顔嫌いです。だから・・・アニメシーンのジゼルの顔は本当は私的にはいけていませんし、エドワード王子もそうなんです。
でもこれが実写になると?・・・途端に、いけています!
ジゼルは嘘みたいな無垢なお目目で信じられないくらいディズニーのお姫様でした。そして私としてはこのジェームズ・マースデンのエドワード王子には「もう最高!」というしかないでしょう!
「ヘアー・スプレイ」で司会していたあのペンシルパンツ?のお兄さん・・・あれも笑えましたし「へぇーこういう役やれるんだ!いける!」と印象大でしたが・・・あのアニメのエドワードを実写にするとすれば・・・「もう彼しかいない!」ってくらいはまってました。
「あああああァァァァァ・・・」で鳩はともかくゴキブリと溝鼠の大群には思わず目をそむけましたが、でも笑いは止まりませんでした。
もう、笑いどころ満載って感じで、頭の片隅で今まで見てきたディズニーアニメを総集編で?思い出しながら・・・なんともいえない幸せ感に酔いました。
破綻が無かった・・・一気に短いと感じた時間を楽しんだ感じ・・・これって子供の時に見た気分と同じ?
公園(素敵なシーンよ!)で何故かおとなしく馬車に乗ってつい?あほ顔で口ずさむらしい?ロバート。カーテンや絨毯のドレスの抜け跡?いかつい顔のキャリアウーマンモーガンのロマンチシズム。
最高の愛のキス・・・のはずだったエドワード王子の顔。リスのチップモンクの活躍・・・抜き出すのは無理ってほどの秀逸場面満載。
ナリッサ女王は竜になってくれるし・・・剣を取るジゼルの人生の目覚め方も凄くいいし・・・お姫様も現実に対処するスキルも真実の愛もを手に入れたのね?
そしてまた終わり方が楽しいの。現実の世界に残ったジゼルの生活も・・・魔法がまだかかっているのね?愛の?デンプシーさんの持ち味かしらロバートが有能な弁護士に最後まで見えなくて・・・ジゼルの思うままの王子になりそうな気配?この世界では永遠の愛は約束されていないのよ。ロバートは大丈夫かな?
でもそれよりもっともっとアニメに戻った世界のモーガンってなんか良くない?魔法の国もキャリアアップしそうな・・・予感・・・?
あー、楽しかった!

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋

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監督  ザック・ヘルム
出演  ダスティン・ホフマン、ナタリー・ポートマン、ジェイソン・ベイトマン、ザック・ミルズ

大事の前の小事で、ここ10日間ほど映画から遠ざかっていました。
「映画見たい、映画みたい、見たい作品が山のようにあるのに・・・」と心の中でうめき続けて・・・この映画です。
で、気分よく帰ってきました。映画に飢えている時は、何も考えないでただ見ればいいのです。それだけで幸せ。そのためにぴったりの映画でしょう?
お疲れの方にはこの映画を一服処方して差し上げて!って感じです。
自信を取り戻して、明日に突入できます!
マゴリアムおじさんの思いっきり笑顔と、エリック少年のキュートな表情と、モリーの可愛らしさと。そして何よりおもちゃ屋さんそのもの!
不思議!魔法!それはおもちゃだけじゃないんだ、私の好きな本もよ!私の夢の世界!色彩!きらめき!輝き!謎の本職人?が肉体派?だなんていいわねぇ。
おじさんが消えて、おもちゃ屋からは色も消えて・・・その後の復活。
「自信を持てばいいんだよ!」ッシンプルなメッセージも素直に。
つじつまが合ったり、欲張ったりする必要あります?ないでしょ。
エリックに何でお友達が出来ないの?私だったら直ぐに「お友達にしてっ!」ってエリックに言いたくなっちゃうと思うわ。それだけ彼は素敵。彼に何か不足しているものある?完璧でしょ?
ミュータントの会計士と何で最後までゲームしないの?いくらミュータントでも「ハイ!」に「ハイ!」返せる人ならできるでしょう?出来そうになったけれど・・・絶対あと数時間したらするに決まっているけれど・・・でも映画の中であの二人がしているところを見たかったなぁ。
モノトーンになってしまったおもちゃ屋に来てモノトーンのおもちゃを持って「魔法」と言った子供が帰った後で光を放つあのおもちゃ。あの景色が心に残りそうです。
自信を持っておもちゃ屋に輝きと色を取り戻したモリーの指はきっとピアノ交響曲もちゃんと完成するんだろうな!それも確かよ。
で、最後に残るあのミュータント。さて、彼は失神した後脳に何か良い物をさずかったかな?可能性は高いよ。だって始めからちょっと愉快そうになりそうな顔をしていたよ?
・・・という訳で、あの階段脇の時計仕立ての方向指示機?あれは「ハウルの動く城」からのアイデアだわね?

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!

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監督  スティーヴ・ベンデラック
出演  ローワン・アトキンソン、エマ・ドゥ・コーヌ、マックス・ボルドリー、ウィレム・デフォー、カレル・ローデン、ジャン・ロシュフォール

映画館でこの予告編を見た時「旦那が次に行こうって言うのはこの映画だ!」と思いました。
思いっきり笑えないと「損をした!」と思うタイプ?
もう随分昔ですよね、TVで「Mr.ビーン」をしていたのは。
あの頃は私も若かった!だから旦那の殆ど居ない夜中、このTVを見て一人笑い転げていました。
ある時珍しくこの番組に間に合って?帰ってきた旦那がこの番組のファンになってしまいました。
その時間に家に居れば見て、私より大声で笑いまくるのです。
でも、その頃、正直に言うとだんだんビーンは食傷気味になってきていました。やりすぎだよ!汚いよ!うー、疲れた!って感じでしょうか。
だから映画「ビーン」は見に行きましたけれど、笑うことは笑ったのですが、ビーンは私はこれで打ち止めにしよう!と、思いました。
鼻水なんかのギャグなんか、生理的にギョエッ!と不快でした。
これだけやられると見るほうも体力勝負だって思いました。
だから「Mr.ビーン」は付き合ってもらうんじゃなくて、しょうがない付き合ってやろうっていう、我が家では珍しいパターン!
ビーンの時からもう10年も経っているのです。コッチもあの時から10歳も年喰っているのです・・・付き合いきれるかぁ?でした。
が、なんと、「が」です。
私には10年前のビーンより今回のビーンの方がずーっと良かった!これなら体力無しで笑える!十分気持ちよく笑える!
勿論ビーンらしく?あの牡蠣のシーンは私は駄目だ!あの牡蠣を探ってしまった女性と一緒に心の中でギャァーと叫んでしまいました。     う、気持ち悪い!この手のが苦手です。
でもスピーカーを盗み出してのワンマンショーは大好き!
それに物語の大筋も気に入りました。
最後の大団円は私がこの11月行って来たばかりのカンヌの「パレ・デ・フェステバル・エ・コングレ」ですよ!あの海ですよ!
絶好のタイミングでMr.ビーンもカンヌへ行っていた?
あの少年もなかなか、あのウィレム・デフォーも笑えて・・・いやービーンも年取ったんだね?円熟したじゃないの・・・子供なりに?
取り越し苦労して損しちゃった・・・と,概ね安心して楽しく笑っていられた私でした。だから「Mr.ビーン」も多分お疲れ?多分お年?のようだからこれが見納めかもと実感して帰ってきました。

迷子の警察音楽隊

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監督  エラン・コリリン
出演  サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サーレフ・バクリ、カリファ・ナトゥール、

何がこの映画を際立たせているのか?
ふと考えてしまう作品でした。
最近おなじみの「凄い!どうやって撮ったの?」映画とは全くの対極にある作品。昨今こんな地味な作品もないでしょう。
丸1日の出来事、それもユックリとした時間の流れの中の。
景色も侘しい、何にもないと言っていい荒涼としてただ地平線が茫漠として思いっきり広く長く、空がとてつもなく大きい。奥に見えるのは山か砂丘か。
真っ青なその広い空の下から物語りは始まるのだけれど、このお揃いの空色隊服8人のエジプト人音楽隊、彼らのこの時の表情からして既に魅力的なのだ。飛行場でぼうっと迎えを待っている。
苦々しい不満、何とかするぞと言う悲壮、任せておけば何とかしてくれるだろうと言う安心、「え、俺にさせるのかよ?という不安」・・・人間的なそれらが幾何学的に無愛想な空港を背にして妙に危うい。それなのに、彼らはバタバタしない。時と地の上にポワーンと突っ立っている。       彼らのその感情は言葉にはならず表情だけで、その姿をすーーーっと引っぱって映画は進行する。
ここで既に私は彼らと心を一つにしている。
だから彼らの話すおぼつかない英語がアメリカ人の英語がちっとも聞けない私にちゃんと語りかけてくる嬉しさ!
最小限の意思の疎通。彼らと突然現れた彼らを受け入れた人々の間にかもし出される交流。なんと言うほほえましい長閑さだろう。余分な装飾がない。事態を唯受け入れ一番簡単な対応をするだけ。
女主人のディナのあの声!私は魅惑されてしまった。大地の上にしっかと乗っかった逞しくも強い声!それでいて素朴、飾らない。彼女の気持ちを真っ直ぐに伝える声。
彼女と隊長の短いけれど丁寧なやりとりが生み出す心の結び合いのなんともいえない可愛らしさ。
そして表情が出来ること!楽団の若い団員カーレドと女性と上手く付き合えないイスラエルの青年とのエピソードがなんともやはりほほえましい。素直な信頼がいつの間にか醸し出されて。
そして歌!もう一つの宿でのエピソード。あの困惑しきったシモンたちの顔と無言・・・そしてこぼれ出た「サマータイム」
音楽が皆凄く良かった!
ティナと隊長のレストランのシーンに流される曲、シモンの途切れる曲、「サマータイム」、ラストの隊長の歌、エンディングに流れる曲。演歌好き?の旦那のお土産にサントラ?と思ったのだけど。
この東京の反対側にこんな世界が横たわっているのだろうか?・・・と、世界の実情を殆ど忘れていた。特にこのイスラエルとエジプトの。そして帰ってきたらガザのニュースが流れていた。

マリと子犬の物語

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監督  猪俣隆一
出演  船越英一郎、松本明子、宇津井健、広田亮平、佐々木真緒、
徳井優、高嶋政伸、小野武彦、梨本謙次郎

邦画連続四本、やっぱり邦画の全盛期!でしょう。こんなこと始めてじゃないかなぁ・・・友人がチケット当たったとかで連れて行っていただきました。
何回も予告編見ていましたから、この犬の容貌に惹かれていました。
父は秋田犬のくまとしろを飼った後、捨て犬のぽちを飼っていましたから?私も和犬好みです。(今時犬にこんな名前付ける人いないよね?)飼うなら柴犬と思っていたのに子供にせがまれて飼ったのは頂いたシェットランドでした。老衰でその犬が亡くなった後もう犬いない歴11年になります。
こんな映画見ちゃったら犬が飼いたくなるのは火を見るより明らかです。絶対泣けるよねぇ・・・とも思えたので行こうとは思っていませんでしたが、見せていただけるのは大歓迎です。
この映画は予想を全く裏切りませんでした。
中越地震の実話で絵本となってヒットした物語の映画化だそうです。取り残された動物のニュースを読んだ記憶があります。
余りに予告編から推測されたとおりぴったりで・・・それに特別な何かがプラスされたわけではありませんでした。
見事な犬と健気な子供といい人と災害国に住んでいる不安と悲しさの上の、心優しい心温まるこれ以上ないくらい素直ないい映画でした。ハンカチをしっかり握って見ました。むしろ家でTVドラマとして見られたらもっと心行くばかり安心して涙腺全開できたでしょう。こういう映画に言うべき言葉はありません。
予想される人が予想される人を演じて、その上に実に可愛らしい子供が健気で上手で、見守る大人には優しさ思いやり以外の物は見当たりません。災害の時助け合う人の心はこんなにも澄むのでしょうか?人っていざと言う時思っていた以上に素晴らしいのかも知れない!
私がこの災害の当事者になっていたらこんなにも心に余裕を持って日々を過ごせるか本当に情けないながら疑問です。疲れ果て、不安に心苛まれて、棘棘ハリネズミのようになって、グチばっかり言っているのではないかと・・・でもこんな映画見ていると、人を信頼しようと素直に思えるからありがたいです。
最高の人間の友人である犬という動物の可愛らしさ・素晴らしさを堪能し、人に心を許して帰ってきましたが、あの坊やが少々心配です。実在の子供ならなお更心配です。そんなにきっちり頑張らなくていいからね、時々背負わされた義務なんか忘れて友達といっぱい走り回ってね!なんて言いたくなったり。
どうにもならないことが人生には何度も起きるけれど、それを乗り越えて行くのが人生かもしれないけれど、乗り越えられない時は迂回してぼちぼち生きて行けばいいんだよ・・・なんて言いたくなったりもして。地震災害多発国に生きてはいてももう誰も、誰一人も地震で命を奪われることが無ければいいのに・・・と思い。色々ぼやっと思いながらそれでもホットな気分で帰ってきました。誘ってくれてありがとう!
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ミス・ポター

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監督  クリス・ヌーナン
出演  レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、ビル・パターソン、バーバラ・フリン、ロイド・オーウェン、マッティエロック・ギブス

気持ちの良い映画を見ました。自然で無理の無い涙も少しこぼれました。短い映画でしたが内容は充実していました、あらゆる点で。景色良し!俳優良し!絵本の動物良し!物語良し!
現在では女性が当たり前のように選び取っている自分の人生を、全うすることの困難な時代に自分の行き方を勝ち取った女性の半生ともなればそれだけで心を動かされます。
しかもこの俳優陣はそのままセットであの時代から借りてきたような自然さです。
レニーさんはいつもながらの多彩な表情を駆使して粘り強く自分の道を切り開いていくビアトリクスの強情をも愛らしさでカバーしながらいじらしくも雄雄しくも生き生きと演じて、いつもながら上手いなぁ・・・!と感嘆させられましたが、ユアンさんです!
ノーマンが実に初々しいくチャーミングなイギリス紳士になっていて、私の方が恋したくなってしまいました。彼が恋に落ちたときのドキドキ感が、目の輝きが、私の心臓にまで移ってくるようでした。いいなぁ~。
それにおなじみの動物たちの動きもほどが良くてチャーミングな挿入でした。
最もミス・ポターのこの世界はシャーロック・ホームズが活躍した時代と重なるはずですが、そしてそのホームズの依頼人には結構自立した女性がいましたが、階級が違うとまだこんなだったんだなぁ・・・
なんて思いながら両親を見ていました。親は責められません、あれでいいのです!なんといってもあのビアトリクスを育てたのですから。
そしてあのヒルトップ農場です。
物語のせいかあの農場と湖水地方の映像がしーんと悲しげに淋しげに見えました。イギリスといえば湖水地方をめぐる旅!あの鉄道の写真も定番!私の旅心も見終わってからうずき続けです。
彼女の自由な生い立ちと動物たちへの愛情が彼女に未来のビジョンを明確に見せたのでしょう。御蔭でその気になりさえすれば?遠い外国からでも彼女が住んでいた時と変わらぬあの自然をあの村をあの農場を見ることができるのですから。なんという功績でしょう!
それにしてもベアトリクスが結婚する気にならなかったあのお見合いの青年たち・・・笑えましたが・・・あれじゃ彼女じゃなくとも・・・なんて思っちゃいますよね。彼らが相手じゃ結婚より絵と物語と自立を愛する人生を選んだと言う事を強調することにはなりませんよね?おかしかった!おかしいと言えばあの付添いおばあさん!私も彼女がお酒に目がないとノーマンのお姉さんより早く?気が付きましたよ。
ロイド・オーウェンさん、一寸鹿賀丈史さんの若い時に似ていません?子供時代の交情が将来を暗示していたようで・・・素直に彼らの将来の結婚が理解できた感じです。いい脚本だったんだなぁ・・・という気がしています。
それにしてもヴィクトリア朝の恋は!停車場のキスにかかる蒸気が見事に表現していました!やっぱりいいなぁ!
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魔笛

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監督  ケネス・ブラナー
出演  ジョセフ・カイザー、エイミー・カーソン、ベンジャミン・ジェイ・デイヴィス、シルヴィア・モイ、ルネ・バーベ、リューボフ・ベトロヴァ、テゥタ・コッコ、ルイーズ・カリナン、キム=マリー・ウッドハウス

オペラの趣味はない私ですが、一応?いや確実に!映画なので誘われれば行きます。という訳でコーラスと未だに?ピアノのお教室に通っているという音楽趣味の友人に連れられて行って来ました。
行く前に自分を確認。私の場合、オペラと言えば・・・実体験?はニューヨークの歌劇団が来たときに「カルメン」を見たことがあるのと、ウィーンでオペラ座体験をしたかったので見た「アンドレア・シェニィ」だけ。後は京都に住んでいた時、京都コンサートホールでしていたNHKのハイビジョンシアターに通って見た映像のオペラだけ。
魔笛はだから全く知識無く、モーツァルト生誕何年でしたっけ?昨年BSでチョロチョロ耳にしていた程度ですからね、オペラとしてどう?って聞かれても、サー?ってなところです。
大体ハイビジョンシアターでオペラ見るごとに感心していたのはお話が実にいい加減だ!ってことくらいでしょうか。筋がね、荒唐無稽って言うか繋がらないって言うか、だけど、聞いていると凄い!って言うか、声に魅せられるって言うか・・・でしたっけ。
それも実際に生で聞いているわけでもないのにですから、私の耳にしたところでかなりいい加減です。
昨日オペラファンの方と話したら「映画館でオペラって、聴きたい気がしない。」ですと。そういうものですかね?「一応映画だから見に行ったのよ。」と私は訂正して強調しておきましたが、実際にはちゃんと立派に聴きもしました。それに実に感心しましたよ。ウィーンのオペラ座の「アンドレア」のヒロインが実に恰幅が良くて、良すぎて、同行の友人が「目をつぶって聞きな。」でしたから。この映画は流石に映画!ちゃんとヒーローはヒーローらしく、ヒロインはヒロインらしく美貌でした!天がニ物を与えた人が世のなかにはいっぱい居るんだな!って。とんでもないおでぶさんの蝶々さんや、醜男のドン・ホセなんかが昔はいませんでした?美貌の人はそれだけで夢を見せてくれますね。+美声ですから!
だからこの映画は物語としてはとっぴなところもつじつまが?な部分も含めて映像として楽しめました。だって、そもそもの時代設定も知らないんですから。どんな時代に設定しなおされても素直に受け入れるだけです。3人の看護婦なんて一寸年増美人のアンサンブルだもの。映画的お楽しみなところ満載と言ってもいいかな?ケネスさんて出演映画の選択そのものがおもちゃ箱的あれこれギャップのある方という印象です。それがそのまま映像に反映しているのかな?なんて思っていました。
だけど「魔笛」って、魔笛を吹かないんですね?なにか笛の曲が印象的にドーンと来るに違いないと思っていたのですが。
しかも英語!イギリス人監督の映画だから地の部分は当然違和感無く英語だと思い込んでいましたが歌が始まって「英語だ!ね?」と、隣の奥様に囁いちゃいました。「まぁ英語だ!」と、返って来ました。オペラって書かれた国の言葉で歌われるもんだと思い込んでいました・・・というほど訳知らずの私です。
何語にしても音楽は楽しみました。だからかもしれないけれど、ところどころ眠くなるところもありましたけれど、ところどころでは声を出して笑ってもいたし、帰り道で「パ・パ・パ・パパ・・・」と歌ってもいたし、オペラ音痴にしては楽しんだな!と。
ついでに友人の「良かったわねぇ↑」というファルセットの声を収録しておきたいと思います。
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