スパイダーマン3

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監督  サム・ライミ
出演  トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、トファー・グレイス、ブライス・ダラス・ハワード、ジェームズ・クロムウェル

1、2を見に行った友人と行くのを楽しみにしていました。
「来るね!」「来たよ!」
楽しみにしているシリーズがあるって言うのは嬉しいです。
「パイレーツ」も「エラゴン」も新しい「スーパーマン」も「オーシャンズ」も・・・おっと忘れちゃいけない「ダイ・ハード」!
私の中の子ども(いや男気?)が楽しみにしています。
そしてこれらはちゃんと安心して楽しめるように出来ていますよ。
映画のもともとの楽しみはこういうワクワク感でしょう?
1,2,3と見て好きなのは2かな?と、思いますが、いずれにしてもスパイダーマンのあのアクション、ビルのすき間をスーット渡っていくあの動き、あのリズム感とスピードが好きです。
だから物語がどんなでも構わないっていうところがあります。
特にM・J関係はどうでもいいんです。
スーパーマンだって私はロイスは誰がやっても気に入らないと思いますし、スパイダーマンも然り!「何でよりによってロイスは彼女でM・Jは彼女なのよ?」って気持ちを心の隅から追っ払うと、後はスピードと浮遊感を楽しむのに夢中です。悪人もその筋書きも好悪はあっても良悪は私の中では存在意味は薄いです。
彼らが激突して建築物などが崩れていくあの映像が凄いかどうかが第二です。「きゃぁっ!」と言う声を飲み込んで掌をしっかり胸の前で握って乗り出せれば後は「あ、面白かった!」と胸をなでおろせればいいのです。
勿論ピーターの日々は大事です。それが彼の動きを支配するのですから。ピーターの復讐心や恨みや悲しみや慢心やいい気や恋心や友情やその他の彼の感情は今回もキーです。ピーターに共感できれば彼の動きに付いていくのはより楽しくなりますから。
今回の黒いスーツのものが何を象徴するもので、それをどのように克服して行くかとか親友のニューゴブリンにどのように真実を理解してもらうのか、その彼も友情と恨みをどうするのか、役を下ろされたM・Jもカメラマンの職保全に汲々とするピーターもカメラマンの職を奪う青年にしても、サンドマンの生活にしても・・・つまりあらゆるピーターを含めて彼の周りで起こる全てがいかにスパイダーマンの行動を引き出すかの触媒なのだから・・・その意味でそれらを筋書きを、あげつらおうなんて気持ちはさらさらありません。
もう乗り出した姿勢そのまま楽しむ気分満杯で映画館に滑り込んでいるのですから。で、今回も息を飲んで楽しみました!
「何であたしゃこういうのがこんなに好きなんだろうねぇ・・・」と思いながら「やっぱり好きなんだね」と確認してきました。
今回はピーターと言うよりトビーさんの役者っぷりも楽しめましたし・・・黒いピーターの行動とっても笑えました!
サンドマンは結局あのままサンドマンとして永久に存在しちゃうのかしら?何でハリーを殺しちゃうのよ!(それを言うならば伯父さんを何で殺したのよ!もかな)何であの黒い宇宙生命体みたいのは教会の?鐘の音に弱いんだろ?(こんな話で教会持ち出す?)と、まぁ、色々あるけど、もし4が来るなら私は又ワクワクしながら行きますよ!
やっぱり?
彼女ともっと映画行けるともっと嬉しいのだけど・・・
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しゃべれどもしゃべれども

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監督  平山秀幸
出演  国分太一、伊東四朗、八千草薫、香里奈、松重豊、森永悠希

落語をベースにされると、こちらの期待感が高くなります。
「まんじゅうこわい」は誰のってとくには思わないですけれど、よく知っている話ですし、「火焔太鼓」は志ん朝さんので知っています。
ね、だから期待は高まるでしょう?高まりすぎました。「タイガー&ドラゴン」ってTVで秀作ありましたし。
期待にたがわなかったのは土地です。背景に切り貼りされた下町風情です。満員の都電のステップにしがみついて中・高と学校に通っていた私です。路線は違えど「三ノ輪」の文字が正面を飾っていた都電でね。私のテリトリーですし、その風情が映画の中でよく生かされていましたし・・・細かいことは無しで(あの都電だけでは行けないところだらけですけれど、クリーニングやさんを除いてね)水上バスなんておまけもあったし、登場人物もと言うより俳優さんたちとこの場合言いましょうね、皆好きで申し分なかったし・・・なのにこの淡々とし過ぎて・・・好感度の度合いと落ち着き先に悩んでしまうのは何故でしょうね。
決して悪くは無かったんですよ。いい映画だ!という感じはありましたし、気持ちよく見終えて帰って来ましたし。これっぽっちも厭な物はありませんでしたし。
少し節制し過ぎたんじゃないでしょうか。品がいいといえばいいし、節度があるといえばあるし、落語の世界のように気のいい世界だといえばそれはそうだし・・・でも変人が集まったエネルギーみたいなものをもう少し発散してもいいんじゃないかなぁ・・・マァ、言ってみれば下町が一寸山の手に侵食された?人情物のほどの難しさですね。
花よりもなほ」って言う映画を思い出したのですが、あのエネルギーは好ましかったなぁ・・・お江戸の雰囲気下町気質の発露の点でも。
細部を情緒だけで押し切った?(いやーでもほおずき市効いたな、私には)3人の生徒を紋きり型で作りすぎた?国分さんの三つ葉さんは好演と思えども、下町のざっくばらんとは一寸違う感じ?雑ックバラン?
話方教室→落語教室→悩み相談会=二つ目さんの成長って寸法なんですが、教室に意外性があることはあり発想が面白くないこともないけれど、うーんただ人との出会いとそれによる触発ってことでもよかったみたいだなぁ・・・でもそれじゃおばあちゃんの出番が無くなる・・・え、「火焔太鼓」の出来が良かったのは酒のせいでもよかったの?的な消化不良があったってことでしょうか。
ただ森永君の大阪弁の落語には最高点を上げたいです。彼の早口のあのテンポ、全体に底上げして欲しかったのがそうテンポ!かな?もっともこんな子に周りをうろちょろされたら大抵の下町っ子はやりにくいと思うと思うよ。
枝雀さんは好きでしたねぇ・・・だからこの坊やにはホント参りましたね。枝雀さん、子供の頃はこんな坊主だったかもなんて、「いや、こいつはいけねぇ」って気持ち!わかってもらえるでしょうか。
香里奈さんのぶっちょう面っぷりもなかなかお得!?
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サン・ジャックへの道

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監督  コリーヌ・セロー
出演  ミュリエル・ロバン、アルチェス・ドゥ・バンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン、マリー・ビュネル、バスカル・レジテミュス、エメン・サイディ

何時かは四国のお遍路さん!それもちゃんと歩いてのお遍路さん!と、思っていた私ですから・・・ぴったりの映画でした。
やっぱりね、そうよね、今すぐ・・・的?気分です。
心が温かくなって、肩の荷物を一緒に落としてきちゃった気分です!
ただひたすらでいいんだね、目的は何でもいいんだね、ただただ前へ進めばいいんだね。
結末がどうであれ、ロードムービーっていうのは前へ進むから感動するのかも・・・?
「ロード・オブ・ザ・リング」は別枠にして「リトル・ミス・サンシャイン」「ストレイト・ストーリー」「幸福の黄色いハンカチ」パット浮かぶこれらの作品から受けた感動・・・「レインマン」とか「テルマ&ルイーズ」「マイ・プライベート・アイダホ」とかも入れてもいいかな・・・心に与える何かが有る、それも豊かに有る映画。
サン・ジャックはスペインのサンチャゴ・デル・コンポステーラのことでキリスト教の巡礼地、フランスのル・ピュイから1500kmピレネー山脈を越える遠い困難な巡礼地だ。
たまたま同じ先導者の下に出発した総勢9人の旅の物語だが、宗教的な意味合いを強く打ち出した旅を描こうとしてはいない。主役の三兄弟(これが又えらく似ていないんだ!)は無神論者に近いし、癌患者らしい女性には神の救済の必要があったのかもしれないけれど、それも別に強く訴えようともしていない、アラブ系の二人男の子の一人が病弱な母のためにメッカへ行くと信じている(友人に思い込まされている)けれど、それもイスラム教を押し出してはいない。何より途中立ち寄る教会すらもただ建物、美しい雰囲気のある建物だというのに過ぎない。巡礼に慣れている司教?たちのあり方さえも特に慈愛に溢れて・・・ということも無い・・・だから私も素直に彼らと歩を進めることが出来たといった感じだ。
共通しているのは何かしら何かを抱えているということで、それが順次現れてくるがそれも長い道中で順次収まりが付いてきかかる・・・という道中記だ。道が険しくなると鬱屈がこぼれ出て、道が優しくなると癒されて・・・でもその一つ一つの1日1日が普通なのに愛しくおかしくほほえましく心に響いてくる・・・というより私の心からそういうものが出てくるようなのだ、そして景色の美しさに気が付くようになってくる。
特に妹のクララの顔と声の変化に私は共感してしまった。棘々と主張してばかりだった彼女が自分の「教える」という職業の原点を取り戻せたこと、又彼女の傍で「学ぶ」事の楽しさを知った少年の笑顔!が1番の私の収穫。見る人それぞれにそういう収穫もきっと有りそうな素晴らしい映画だった。
面白かったのは途中に挟まる夢の中の?映像。チョトいい!シュールなイマジネーションの中でアバンチュールした後の静謐風絵画で?それともあれは渇望かな?
でね、兄のピエールと比べて弟のクロードの無一物の長い旅がなんとも象徴的でおかしくて、うーん、考えさせられちゃった、生き上手ってこういうことかって!とにかく楽しかったし嬉しくなった。最後が本当に良かった!
大掃除して不用品片付けたくなっちゃったけれど、実際は心の中の方が不用品が多いのかもね?
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世界最速のインディアン

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監督  ロジャー・ドナルドソン
出演  アンソニー・ホプキンス、クリス・ローフォード、アーロン・マーフィ、ダイアン・ラッド、パトリック・フリューガー、ポール・ロドリゲス、アニー・ホイットル、クリス・ウィリアムス

こんなに気持ちのいい映画って過去にあったかしら?って思うくらい。見ている間中自分の顔がほころんでいるのが分かった。
最も疾走する場面では肩に力が入り心から応援をし手に汗握って夢中で乗り出していたけれど。
見終わって誰も知っている顔が無いのにも関わらず周りに居る皆に微笑みかけていた。
最も誰も気が付かなかったろうけれど?
こんな映画月に1本?見ていたら、私はズーっと幸せでいられるな。
いい人になるのも簡単かも知れないって感じ?
彼の笑顔、言葉、行動、全てに魅せられちゃった。
アンソニーが(バート・マンローさんが?)微笑んだり笑ったりするとつられて私も微笑み返し、笑い返していたもの。彼の笑顔は本当に素晴らしい!
夢を持っていればこんな笑顔も持てるのだろうか?
だとしたら、私も今から死ぬまで続く夢を探さなくちゃね?
子供のようにただそれだけを見て暮すのよ。ああ、それだけじゃいけない。それを実現すべく力の限りを尽くすのよ・・・そうでなきゃ!
何が好きって、彼が隣の少年トムと会話しているところ。
無理が無いのだもの、二人とも対等で同じ目線で、大人びた少年と大人に成れない大人とは同じなのかな?
この少年がまたとてもいいんだ!
最もいいといえばこの映画に登場する人物は皆いいんだ!
かなりやりきれないお隣さんだと思うけれど・・・、時々首を傾げたくなるかもしれないけれど・・・、誰だってあんな邪気の無い笑顔を見てしまったらね?
好きなことの知識だけは物凄いよね?これが究極のオタクって言うものなのかも?でも、そうだとするとオタクって素晴らしいものなのね?って思っちゃった。
物や知識を収集して取り込んで自分の世界を作って満足しているのをオタクと言うのかと思っていたけれど、それは夢を実現するための過程に過ぎないのならば、素敵なことかもしれないなあ。
最速を出しても、彼は又、又次も・・・って、チャレンジし続けていくのだから、その夢に関わる人たちは皆引き付けられてしまうよ・・・そういう魅力が有るよね。もてるもの全てを、乏しいのに全てを賭けているのだもの、祈らずにはいられない!
そして一生懸命肩入れをしたくなる価値が十二分にあるんだもの彼の笑顔にもひたむきさにも。
魅力的な男が素敵に生きて夢を実現して行く、そしてその周りには善意ばかりが吸い寄せられてゆく、しかもこの作品は全くのお伽噺の様ではなくてありえるって至極納得がいくのだもの。
それにスピードって素敵なの。一段加速するたびに夢中で乗り出して拳を握りしめたわ。
アンソニーの魅力もあるね。でも、実際のマンローさんもこの通りの人だったんだろうなって、思えて、素敵だなぁ・・・嬉しいなぁ・・・いい気分だなぁ・・・
1962年のアメリカはまだ夢に見てもいい世界だったんだね?
人の心も優しかったのかな?
そしてまだ夢が共通語だったんだ?
ユタ州ボンヌヴィルのソルトフラッツかぁ・・・一度見てみたくなったよ。真っ白で、真っ平らで、永遠みたいに続くんだ!凄いなぁ・・・!
今まではユタ州っていうとシャーロック・ホームズのモルモン教徒の連想だったんだけどこれからはきっとユタ州って言うと塩平原のインディアンだわ。
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幸せのちから

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監督  ガブリエレ・ムッチーノ
出演  ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス、タンディ・ニュートン、ブライアン・ホウ、ジェームズ・カレン、カート・フラー、ダン・カステラネタ、ケヴィン・ウェスト

実話の映画化だそうです。
が、さて、微妙な映画を見ちゃったというのが最初の感想です。
はて、「うたい文句の感動はどこに?」なのですが、決して感動しなかったわけではありません。ですが、やっぱり感動したと言うにはちょっとなにか足りないものがあります。
ウィル・スミスさんは今まで受けていた印象(「メン・イン・ブラック」が好きです)とは違った役柄をとても真摯に熱演していましたし、その父親の元で息子さんがまた自然な姿を見せていて、「いい親子だなぁ・・・」と、素直に思えました。
これは収穫です。いい親子の情景、いっぱい見たい時代です。
ほっと和みます。
そこで「題」です。「幸せ」も「力」も惹起力がある言葉ですがこの映画にはあいません。サクセス・ストーリーそのもの、立志伝中の人物の「凄いねぇ!」物語です。むしろこの映画の場合は息子が幸せを呼ぶ力だったと言えるのでしょうね。彼の成功へのエネルギーは確かに息子あってのものだったんだと納得できたからですが。
そういえば妻を演じた女優さん、不幸を絵に描くと彼女になるみたいな感じでしたね。「ER」に出ていた人かしら?あの顔や表情やしぐさには思いっきり不幸を引き寄せるぞ!という雰囲気がありました。
私にとって解せないのは、収入の無い夫に幼い息子を任せられたことです。少なくともNYへ行けば彼女には収入が保証されていたのですから手放せますかね?夫と息子の絆の半端じゃない強さに始めっから気力で負けていた?
息子も母親恋しさで父親を悩ませないよく出来た利口な子でした!
さて、この成功譚、父子の関係がとてもよかったので祝福してあげたい気持ちは山々ですが、もう一つしっくりいかなかったのはなぜか?と考えていたのですが・・・
出会いですかね?
お金での成功がまずありき?幸せにはまず金?
例えば「これこれこうだからこういう自分になりたい。」という命題なしに、高級車を見て「秘訣は?」と聞いて、そこから始まったということ。そしてその仕事の成功ははいわば投機・利殖。弱気で臆病者の私には縁のない世界でなされたこと・・・という点かもしれません。
ホリエモンさんとか村上さんとかとイメージつながっちゃったので。
それにしても目標が決まった後の彼の集中力は子供を抱えて凄いものがありましたね、その部分で圧倒されます。だから、水を差すようなことは言いたくないという気持ちもあります。
数字に強い!交際力?に強い!機を見るに敏!それよりなによりまず体力!
ウィルさん、走りまくりましたねぇ。走って走って・・・そこに彼らしい切れを見ました。あの走りで成功したと思えればよかったのに?
彼は成功しました。幸せなんでしょう。
彼の息子は今何をしていて、幸せなんでしょうか?
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それでもボクはやってない

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監督  周防正行
出演  加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、田中哲司、光石研、尾美としのり、役所広次、小日向文世

いやーもうー怖ぁい!
この国では、疑われるような事をして、警察に連れ込まれたら、もう私らにはなすすべは無い!ってことですか?
無実なら出るところへ出れば大丈夫!って、思って生活していましたよ。
警察へさえ行けば、ちゃんと調べてくれるって思っていましたよ。
で、無実なら、起訴されることははなっから無いと思っていましたよ。人を見もしない検察官にはあーぁ。
そして、もしどこかで行き違っても、まかり間違っても、弁護士さんがいてちゃんと無実を証明してもらえるもんだって思っていましたよ。
全部幻想だったんですね。
もうお手上げだって思っちゃいました。
大体まかり間違ったところで、弁護士さんだってあそこまで働いてくれる人、私たちで見つけ出すのってまず無理でしょ?
そう思ったら、疑われることなぞ、まちがってもしてはいけない社会なんだって不安になっていました。
李下に冠を正さず、瓜田に沓を入れず?でしたっけ?それだけが私たちのすがるよすが?
彼は情けないフリーターに見えたから警察はああ、居丈高におざなりに決め込んだのかも知れませんが(いつもああなの?)、反対に彼がそういう立場だったからあそこまで頑張れたのでしょうけれど、頑張ったからといってお先は真っ暗に見えますものね。もう新しい証拠見つけられそうな状況じゃないですもの・・・後はもし上告できたとして・・・裁判官頼り?
裁判官の勤務評定?のあり方も映画の中の幾つもの「愕然!」のうちの一つでした。
もうてっきり「疑わしきは罰せず」が主流?と思い込んでいましたが・・・出てきた数字にも愕然!です。
犯罪とは無縁で」暮してきましたから、むしろ、限りなく黒に近い人が「疑わしき・・・」の鉄則のお蔭で野放しにされている社会の方がこのところ恐ろしい社会に見えていたんですから・・・えぇ~、180度方向転換の目からうろこ!状態で、座席で呆然としてしまいました。
凄い映画だなぁ!緊張して目を見張って終りまで引き込まれて見てしまいましたけれど・・・不安でいっぱい。
映画そのものは収監者の生態?傍聴人オタク?面白く見せるところもいっぱいあって係争中の「痴漢?」さんの援助など重層的に膨らませてとても見応えありました。考えさせられちゃいました。
パンフに11年ぶりの映画ってありました。「Shall We ダンス?」からもう?
「お父さん、認めて罰金払っちゃいましょうよ、明日からの事を考えてよ。」なんて言う自分を信じられます?
それより、この映画見た後で「あなたを信じてるからどこまでも戦いましょう!」なんて、そんな無責任なこと言えます?家族が居て途中でもうお金も続かないしお手上げ・・・なんてなったらもう最悪。
「よかったねぇ、頑張った甲斐あったねぇ!」って言える保証100人に3人ですってさ。
それ以上に、私みたいのが陪審員になったところで、いたいけない少女を見ながら怪しい男?に「疑わしいから無実」って手を挙げられますかね?裁判員制度で何か変わる?
頭を下げて罰金払って野放しになった人って懲りないでどこかでまたやっているのかなぁ?裁判潜った人の方が懲りる?痴漢だけの専用裁判所・万引きだけの専用裁判所でもれなく懲りさせる?
満員電車では手を絶対胸から下に下ろしちゃ駄目よ、女性が居たら何とか背中を向けるのよ、とか何とか自己防衛しても?・・・状況次第でどこから火の子が飛んでくるか分からないし・・・警察へ行ったら相手は全部詐欺師だと思え!って?とにかく何があっても署名しちゃ駄目だ!って?えー、そんなァ・・・
信じてもらうってこんなに難しいことだったのかぁ!
どこから改善していけばいいのですか?日本の裁判制度。司法制度も。
改善点が山積みなのはとてもよーく分かったのですが。
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007 カジノ・ロワイヤル

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監督  マーティン・キャンベル
出演  ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルソン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、ジャンカルロ・ジャンニーニ

ホント、久しぶりの007映画堪能!
007シリーズを読んだのはもう40年近く前になる。そして、ジェームズ・ボンドは私のヒーローの一人となった。彼のスタイル!=ため息!!!
だからショーン・コネリーの時でさえ受け入れるのは・・・、だがその後のボンドは考える余地も無い。
「ショーンのボンドは良かった!」と、思えるようになったのは、その後のショーン・コネリーの活躍にも因るかもしれないが。
ティモシー・ダルトンはその中ではまし?と、思えたがちょっと荒削りすぎる。ロチェスターならはまり役でも、ボンドにはスマートさに欠ける・・・というわけで007映画からは長く遠ざかっていた。
予告編でダニエル・クレイグという俳優のボンド就任?を知ったが、「これは?」と、思わせる何かを彼は持っていた。
髪?許せる!目?許せる!額?許せる!鼻?許せる!口?ここではたと私は迷った。う~んこのちょっと受け口の唇は果たしてショーン・コネリーのように酷薄さを漂わせることが出来るのだろうか?
むしろキスにもって来い!って感じじゃないかしら?いつでも美人にはスタンバイ、OK!って?
でもそのスタイル!満点の肩の上の小さな顔!いけるかも?
というわけで3〇数年隔てて、銀幕の007とまみえたのですが、「結構!毛だらけ猫灰だらけ!」って寅さんなら言うだろうな・・・と、思いながらの鼻歌交じりの帰宅になりました。
面白かった!
この一言でしょう。
ヴェネチアの歴史的建造物が崩れていくところなんか・・・うぁー!
色々な有名ビルが倒壊するところは散々見てきたけれど、あの静かな崩れ方は別物だったなぁ。
絶対手を触れてはいけない聖域になんてことするんでしょうね?
でも妙にリアルで妙なカタルシス?
しかし、こんな映画こんなに楽しめちゃうなんて・・・
ダーティ・ハリーやダイ・ハードが好きな私の一部がこの作品でもわくわく震えたってことですが・・・男兄弟の中で育った歪みかな?なんて、「ちょっぴりうしろめたさ」もヴェネチアの衝撃で忘れ去られました。
風景は満点!ただ欲を言えばカジノの緊迫感がもっとあっても良かったのに・・・記憶の中の勝負はもっとスリリングだったような?
カードもトランプだった子供の頃の記憶だからかなぁ?
私的にはドァのナンバープレートが印象的だったけれど、今はカジノこんなんですか~?なんて、時代も自分もそこはかとなく・・・哀愁?
さて、次は彼で「ロシアから愛をこめて」を見たいなぁ・・・と、思うのですが、頭の中のショーンとの対決!これもわくわくするんじゃないかなぁ?
「灰色の」マチュア・・・ジャンカルロ・ジャンニーニが演じると「ハンニバル」の彼を思い出させて(強烈な印象が残って)、つい「限りなく黒だよぉ」と彼が出てきた瞬間もうボンドに言っていました。だからスパイ映画は出来たら色の付いていない配役でお願いしたいなぁ。
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上海の伯爵夫人

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監督 ジェームズ・アイヴォリー
出演 レイフ・ファインズ、ナターシャ・リチャードソン、真田広之、リン・レッドグレーヴ、バネッサ・レッドグレーヴ

「カズオ・イシグロ」の原作というだけで私も見たいと思っていたら、案の定「日の名残」を最高の映画の1本だと思っている父からの誘いがあった。
カズオ・イシグロさんの作品を本で読んだことが無いので、経歴は全く知らないが、この映画も、見終わって「英国」の香りがしたと思った。日本人の名を持つこの人が描く「英国」は妙に魅力的だ。
「日の名残」はまさに英国映画だったが、この作品は上海が舞台で、しかもアメリカの元外交官が主人公の映画なのに何故「英国」を感じたのだろうかと考えてみた。
主人公のジャクソンを演じるレイフ・ファインズが英国人然としているからかもしれない・・・「ナイロビの蜂」の見事な英国人の役柄がまだ目に新しいからかもしれない?
何故イギリス外交官にしなかったのだろう?その方が自然だったろうにと思うが・・・あの当時上海の外国租界ではないところに店を持たせるにはアメリカ人の方が都合良かったのだろうか?などと当時を知らない身としては色々思いあぐねてしまった。
それほど英国ぽさをこの映画から感じ取れたということだろうが・・・レッドグレーヴ家のせいかもしれない。主な女優陣は英国人の母(ヴァネッサ)と娘(ナターシャ)と叔母(リン)で占めていたのだからかも?
それにしても「レッド・ドラゴン」のレイフ・ファインズを見た後で「ナイロビの蜂」を見たときの「嘘っ!」っていう感じはもう無い。
むしろこの紳士的な役柄こそ「この人のものだ!」と思えるところが凄い!これで私、完全に彼のファンになってしまいそう。
まぁそれはさておき、この映画の魅力は1936年前後の上海のなんともいえない猥雑な多国籍的魅力とエネルギーの表現にあった。
フランス租界とか英国租界とかでの一旗挙げ組や難民、権益に遅れを取るまいとする日本人など怪しげな人々の坩堝だったのだろうか?
その感じがこの作品をただの風変わりなロマンスものではないものに昇華せしめていると思った。
町の描写、「ホワイトカウンテス」やそのほかの社交場の描写に歴史の流れが覆いかぶさって醸されてゆく雰囲気が魅力だった。
そして見ているうちになんか妙に変なことに気を取られた。
中国という国はあの当時の列強による様々な侵食を忘れたのだろうか?阿片戦争後、様々な国に齧られていたということはどういう記憶になっているのだろうか?とか。
伯爵家の人たちは香港に行ったが、ユダヤ人と伯爵夫人とジャクソンたちはマカオに行くと言っていたけれど・・・どっちが正解だったのだろう?ジャクソンたちには愛という明るさが、ユダヤ人一家には知性という明るさがあったけれど?とか。
伯爵夫人が一家を食べさせていたけれど、ロシアも大家族主義なんだ。そして誇りというものは死ぬまでに随分とじたばたあがくものなんだ・・・とか。彼らはあの後どうやって生きていったのだろう・・・?
真田広之さんの演じるマツダがとても堂々としていて良かったなぁ・・・外国映画の中の日本人がやっとこの頃安心して見られるようになってきたなぁ・・・(ラスト・サムライ以降?)とか。
「伯爵夫人の持ち味?」の悲劇性と諦めがあの混乱の中で頼られることの嬉しさと頼れることの歓びとに変わっていったのを見て、娘のはつらつとした様子を見ていて、香りの良い映画だったなぁ・・・と思いました!
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監督  リチャード・ドナー
出演  ブルース・ウィリス、デヴィッド・モース、モス・デフ、ジェナ・スターン、ケイシー・サンダー、シルク・コザート

実を言うと、ブルース・ウィリス大好きです。
無理して映画を付き合ってくれると、必ず隣で眠る我が旦那(「父親たちの星条旗」の前半も寝てましたよ)が、「ダイ・ハード」を見た時だけは、「スティーブ・マックィーン亡きあとはこいつだな。」と、実にアバウトに「私のブルースはいいよ!」意見に賛成してくれました。
私の方は「ブルームーン探偵社」以来ですから、筋金入り?
でも彼は「ダイ・ハード」だけの支持者ですからね、つまるところ。
というわけで「付き合う?」に・・・煮えきれない「う~~ん。」。
待ってなんていられません。というわけでさっさと行ってきました。
思ったとおり楽しませてもらって帰ってきました。
この人の「楽しませてやろう」精神。好きですねぇ。
久しぶりの?「ダイ・ハード」系!この系、絶対損はしないですよ。
一段と冴えない老込んだしょぼくれた刑事になって・・・「髪」気になります?ブルースの頭知っていますよね?あのままでいいじゃないの・・・アガシと同じで格好いいんだから・・・と、思いかけたのですが、
あれじゃぁ、この作品のコンセプト?からいってしょぼくれ方が不足しちゃいます。ブルースのそのままの頭じゃ絶対この難事凌ぎきるって最初からわかっちゃいますもの・・・って、最初から分かっているのですけれど・・・!そこはそれ・・・いかにして?って問題じゃありませんか!
で、そこをちゃんと楽しませてもらって、ブルース・ファンとしては満足です。
今まで「ブルース好き!」って一項目作って書いていないなんて不思議です。でも確実に年月は経っていますね・・・淋しいくらいに。何時までこの「系」見させてもらえるのでしょう。
「ダイ・ハード4」があるらしいって、ホントですか?・・・だといいな。
善人顔の人が悪いと絶対本当に悪いですよ・・・という点でデヴィッド・モースも適役でしたし・・・だから最後のところで撃たないだろう・・・という予測もドンデンが効いて悪役に徹し切れていましたものね!
二人の間の長年の微妙な感情も想像の余地があって・・・ふくらみがあって濃くもいや増し。
そこで一つ。私の中で解決できなかったのがあの護送囚の黒人さん。
この俳優さん歌手ですって?信じられないのですが、私は声が厭でした。しゃべり方が厭でした。耳に障りまくりでした。うっとうしかったです。
いいこといっぱい言って、いい科白もちりばめられていたけど(だから、惜しい)、あそこまでしゃべり続けなくてもいいのにねぇ・・・って。
途中で「ガントレッド」思い出して、それも楽しめちゃったし・・・だけど、だから「あのバスが裁判所に横付け・・・って事は無いな」ってわかっちゃった・・・って、はなっからそれは無いでしょう。
妹とその仲間とか、隠し球がちょっと安易な気もしたけれど、気持ちのいい隠し球だからいい!
女(妻)?の匂いさせておいて、ありふれたその系のごたごたが無かったのも好感!
最後の決めはブルースらしくサッパリと快く決まって、出所後の誕生日はとても心温まるシーンで大おまけの付録みたいで、良かったなぁ。

しかしあの司法取引っていうのがいまいち理解できないんですよ。
最近あちら物?で、耳に馴染んでいますが・・・日本でもこっそりあったりするんですか?ブルースがどんな悪徳刑事だったのかはっきりしませんが二年の「お勤め」くらいで済むものなの?護送囚だった黒人の経歴抹消なんてことも実際取引出来るんですか?本当にあり?
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スーパーマン・リターンズ

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監督 ブライアン・シンガー
出演 ブランドン・ラウス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボスワース、フランク・ランジェラ、ジェームス・マースデン、エバ・マリー・セイント

こういう映画誘ってくれる友達がいて、最高!
なんか一人で行き難い映画なんだ・・・って、思うのは何ででしょう?・・・もう子供じゃないから?
でも、好きな物は好きだよー。
子供の頃に見ていたからかな?あの時、骨の髄に書き込まれちゃったんだ「ワクワク・スーパーマン大好き因子」があの音楽と共に。
クリストファ・リーブのスーパーマン最初に見た時は違和感あったのに、気が付けばスーパーマンは「彼!」になっていたから、彼の事故の時は本当にお気の毒で、残念で。もう二度とスーパーマンは見られないと思っていたから・・・新スーパーマンの予告を映画館で見た時はショックでした。
しかも驚くほど二人は似ていたし・・・いいのかな?新スーパーマン見に行くのってクリストファーを裏切ることにならないかしら?なんて、まじ!思っちゃいました。
でも、やっぱりスーパーマンは見たかった!
そして見てよかった!
スーパーマンはそれこそ不滅にその時代時代にヒーローであり続けるということが目に見えるように納得できちゃいました。
この映画、本当に素直に感動できました。感動しちゃったんです!
物語そのものがいい感じでしたし・・・!
「クリストファーの子供」に受け継がれたような気がしてしまうくらい、ブランドンが自然にスーパーマンを感じさせてくれましたし・・・!
ロイスと飛ぶところだけでなく飛行するところ全てが・・・何というか静寂を感じさせるんですよねー・・・「静けさへの飛行」とでもいいますか。美しかったですねー。技術の勝利!進化していましたし。その飛行時の映像、昼のも夜のもどこのも・・・全部本当にきれいでしたよねー!
他の映像もCGっていうんですかねぇ?とても楽しめました!
いつもどおりのレックス・ルーサー、ジーン・ハックマンに替わってケヴィン・スペイシー、言っちゃァなんだけど・・・一寸は利口に?もっと悪く?なんて予告編では思わされたのだけれど、何のことは無くやっぱり・・・アハハ・・・お約束通り?恐くなったのは頭だけ?
私的にはフランク・ランジェラの編集長が嬉しい!
恰幅のいい、いいおじ様?になって、しかも相変わらずの大きな印象的なお目々の目力!
で、もう一つ私的には永遠の謎。 「なんでロイスなの?よりによってなんでロイスなの?」子供の時からずーっと、こう思いっぱなしなのよ・・・なのに、今回のロイスは今までで一番キレイ。それに、こうなっちゃ「なんで?」なんて思っていてももうしょうがない?すっぱりと諦めます、許す!
今度は父子の飛行が見られるのかなぁ・・・そうすると「スーパーマン新世紀」だね。見たいなぁ・・・!
それにルーサーがキャサリンだっけ?あの女に又裏切られても(彼女のおたおたしている感じ好きだな)、彼女とズーット一緒なのがなぜか嬉しい。ルーサーらしく?暴力を振るったりせずに、あの美しい無人島で仲良くのんびり足を洗われているところなんか・・・なんか良かった!しなぁー。
あと、お願い、クラーク。回復したらとりあえずお母さんに顔見せてあげて・・・。
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