3人の先生

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素敵な先生が3人居ます。
一人は「チップス先生さようなら」1969年のチップス先生。
ピーター・オトゥールが演じました。
一人は「今を生きる」1989年のキーチング先生。
ロビン・ウィリアムズが演じました。
一人は「卒業の朝」2002年のハンダート先生。
ケヴィン・クラインが演じました。
どの先生も忘れられません。私が学校で習ったどの先生よりも先生らしく、どの先生よりも印象的です。
理想の先生でしょうか?いいえ、そうとは言い切れないかもしれません。でも魅力的です。

一番若い時に見た先生だからでしょうか、一番長く心に住み着いているからでしょうか、チップス先生(チッピング先生)がやはり一番好きです。つくづくイギリスの先生だなぁと思います。
チップス先生は伝統を身に纏い生徒におもねらない静かな先生です。
取り分けいい科白を言うわけでもありませんが、その佇まいこそがそのまま教えになる先生で、生徒を見る眼差しが優しくて、生徒に愛情を抱いていて、教えることが好きだと無言で語りかけています。
その生徒たちが先生をからかい、その先生の当惑した表情に生徒が自分のしたことに恥じ入るところが私は好きです。そして妻に校長に昇進した事を話そうとしてひた走るところで泣けます。滑稽な姿なのに・・・どうしてもここで泣けてしまいます。老いたチップス先生が学校で静かに生徒たちを見つめているところが好きです。チップス先生の表情・震える指・・・忘れられない心に染み入るシーンがあります。
高校の時の先生が言いました。「いい先生の一番の条件は知識があることだ。聞かれたことに答えられるのが先生の第一条件だ。」と。
そうかも知れませんが、チップス先生を見ていると生徒に人格を感じさせられるのが先生の第一条件ではないかという気がしてくるのです。先生の無口な温かさが伝わってくるようです。

次のキーチング先生は語る先生です。生徒を啓発し、理想を抱かせる先生です。意欲や行動を呼び覚まし、触媒になる先生です。
でもこの作品では一人の生徒が自殺をしてしまいます。それがこの作品を後味の良くないものにしていると思いもします。でもこの先生を見ていると、これが先生というものだと思わされてしまいます。
働きかける先生にはこういう不幸な出会いも起こりうるのかもしれないねぇと。でも「こんな先生に出会いたかった!」
生徒の心や行動に意欲を持たせ目指すものを探す「ステップ」になる事こそ先生の使命でもあり生きがいでもあるのだと頷いてしまいます。特に最後は圧巻です。気弱で意思表示もろくに出来なかったイーサン・ホークが演じる生徒が立ち上がるところで、ここで私は泣いてしまいます。
先生冥利に尽きるのではないか・・・と。学校から追われるキーチング先生に「先生を辞めないで、もっと沢山の生徒を育てて!」と言いたくなるのです。生徒を魅了してやまない先生は私の心も魅了しました。ロビン・ウィリアムズが生徒に向ける豊かな表情と目の中の愛情がとても素晴らしくて、彼のもう一つの「グッド・ウイル・ハンティング」の先生とともに忘れられない先生像となりました。

そして、最後のハンダート先生は一寸複雑です。好きになれるでしょうか?う~ん!
この先生は悩む先生です。生徒を導いていい感化を与えたいと願っており、そうできると思い、過ちをも犯す先生です。先生の感化力と自分の理想を過信します。でもこの先生は生徒に愛される先生でしたね。ハンダート先生の理想のために不当にコンテストに出られなくなった生徒のうなだれる姿に先生が何か声を掛けるだろうと思ったので、私は失望しました。先生がそうまでして感化しようとした生徒は結局最後まで心の向上を見せずに先生の理想は潰えたかに見えましたけれど、めぐり合ったあの生徒に遅ればせに彼は謝りましたね。その生徒が良い道を歩んでいたことにその時私も救われたような気がしました。「教育に出来ることは少ない!」ということをこの映画は言っている様でもありますが、先生も良い資質の生徒とどうにもならない生徒とにめぐり合っちゃうんだと少々おかしくも思えました。でもこの映画が心に残るのは、先生が一生懸命先生をしようとしていたからだと思います。先生としての格調が高いといいますか。やはり「先生」ですね!
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おしゃれ泥棒

映画タイトルINDEX : ア行 353 Comments »

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 オードリー・ヘプバーン、ピーター・オトゥール、ヒュー・グリフィス、イーライ・ウォラック、シャルル・ボワイエ

また、先日「おしゃれ泥棒」BSでしましたね。
私は基本的にスカパーとか映画チャンネルとかは見ませんし、レンタルビデオも借りません。
それをしてしまうと際限もなく映画にのめりこんで何もしなくなりそうな予感?がするからです。
だから、衛星1・2までが守備範囲と決めています。
私が自分にかけた「枷」です。自分の弱さはそのくらいまでは理解しています?だからTVの映画放映が減ってくるのは脅威です。
この範囲でなら映画を楽しむのは「よし!」ということにしているので、こういう大好きな映画をTVでしてくれると嬉しくてやっぱりまた見てしまいます。
TVでしてくれる時が「運命の出会い!」って、大げさですかね?
先日の「秘密のかけら」は私の好きな俳優さんの組み合わせでわくわくしましたが、「組み合わせで最高!」といったらもうこの映画に尽きます。
オードリーとピーターなんですよ!この二人なんですよ!
私にとっての最高峰の二人なんですよー!
オードリーはその笑顔からすべての表情がもう可愛らしくて、エレガントで、どこを切り取っても素敵・チャーミングと言う言葉がこぼれ落ちてくるみたいでしょ。
そして私にとっての最高の男優は勿論ピーターですが、彼のこの映画のとぼけた味わい!もうなんとも言う言葉がありませんね。
オードリーが言ったように「青い目の背の高いハンサム!」。この言葉を絵にするとピーターですもん!
この二人の会話のテンポのいいこと!おしゃれなこと!とぼけたこと!「!」をどれだけ連ねたって私の気持ち表現できないわ!って感じです。それにこの映画に出てくる人、皆おかしいったら無いんですもの。「面白いおじさんばっかし!」って思っていたのに、今じゃ私が皆さんのこの映画内時点?での年齢を抜いちゃいましたよ!嘘ッ、まだですよ?
それにオードリーの着ている物、ジバンシーですって?私にはファッションとしては手の届かないものですけれどね、これがどんなにオードリーに似合って引き立てているかは分かります。って言うより本当はオードリーがこのファッションを引き立てているって言うのが本当ですよ。どのスタイルでもこの映画の中のオードリーは本当に素敵なんです。(お掃除オバサンだって可愛いッたらないんですけど)
あのびっしりつけまつげに彼女の眼絶対負けていませんものね。あのまつげのひらめきがどれだけ効果があるか・・・ぽわーんとした目で見ほれている私です。
そして目と言えば・・・あのチョコット垂れたすっとぼけたあおーい、青い!ピーターの目。跳び込めれるものなら飛び込んでおぼれたいですよぉ。
それに場所はパリですよ。美術品?満載ですよ。
リッツのあるヴァンドーム広場。ちゃんとパリに行った時見てきましたよ!小さいけれど、きれいな優雅な広場でしたもん!黒いレースのマスクをしたオードリーとピーターの笑えた場面、思い出しながら逍遥したんです。
映画を見ながら「おー、ここ私も歩いたぞ!」っていう楽しみも少し出来たので、なお更嬉しくて、またTVでしてくれますように・・・!と、見るたびに思うんです。
そして変わらないピーターを見ると私はロマンスの海に溺れられるんです。轟沈!

日本沈没

映画タイトルINDEX : ナ行 159 Comments »

監督  樋口真嗣
出演  草なぎ剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央、及川光博、吉田日出子

イヤーァ、あれからもう30年以上もたったんですねぇ。
ってことは本を読んでから、35年近くの月日が流れたと言うことです。
そっちの方が驚きですよ。
だからか、「昔の映画もきっと見ているな?」と思われる方が結構来ていましたね。
日本に住んでいて、TVでしょっちゅう「地震速報」が入るのを見て生活していると、あの頃と同じようにこの文字「日本沈没」があちこちで躍っているのを見るとそれだけで不安が増します!
と言うわけで見てきちゃいました。
って、草なぎ君のファンの友人に誘われたっていうのが真相です。
もっと正確に言うとキムタク君の大ファンだそうですから、好意がお隣にも及んでいるといったところです?
私は大体の情報源は新聞(だけ?)という活字人間ですから、先日誰かの文でこの「日本沈没」に出演の若手俳優の演技力に疑問(優しく言い換えればね)を述べている文を読みましたよ。名前まで書いてありませんでしたけど・・・見た後でも、誰のことか分かりませんでしたけど?
ただ、草なぎ君の神出鬼没なのには驚きました。
あんな状況下で実家、下町のオバサンのところ、コウさんの活動場所から田辺博士の所までどんな移送手段を使ったのかなぁ?なんて考えちゃったら、感情移入が難しくなってしまいました。
その移送手段を使えばとりあえず安全なところを選んで庶民を移動させられるじゃないの!って。
今、外国に資産を移している日本のお金持ちって、きっとこういう状況も織り込み済みなのでしょうね?
想定内?ってやつですな!
こういう頭のいい人が世界中で生き残っていけば、日本人も何時かはユダヤ人みたいになり、又どこかに国を建設できるかも知れません。
未来を心配するのはよしましょう。
でも特撮の「絵」的には、楽しんじゃいました。
あんなふうにかしいで止った東京都庁どう処分するんだろうなぁ?
きれいに崩れてくれた方が再建しやすいのに・・・とか、
「あっ、あー今うちが津波に飲み込まれちゃった!」
ニュースの映像では見たことは有りますが、本物の津波なんて見たことが無いのですから、我が家みたいなところに津波が押し寄せ飲み込んでゆく映像を惚れ惚れと見ていました。
「凄いなぁ!こんなになるんだ!うちはこうやって消えて行くのかぁ!」
六本木の森ビル崩壊は「これを見て溜飲下げる人結構居るだろうなぁ?」
なんて、勝手に思っているうちに、「ああ、そうか!」と思いました。
「アルマゲドン」で、クライスラービルが真ッ逆様に落ちてきた時私はその迫力に「ウォー凄い!」と、只々感嘆したのですが、「アメリカ人の何人かはあれで溜飲下げたかも?」なんて。
「及川さんの新型潜水艇が勝てなかった水圧に草薙君の旧潜水艇が耐えたのは何故だ?」と思ってしまった私はついでに「アッ!」っと、気が付きました。
「アルマゲドン」を見せた時、旦那が「スッゲェ、でたらめ。嘘っぱちばかりじゃないかよ。ありえないだろ!」と言ったので、「あなたは映画の楽しみ方をホント知らないんだから!」と、苦言を呈した事を思い出しちゃって、一寸恥じ入り?ました。
「あそこであんなふうに駄目だった掘削機が何で急にこんなに進むんだよ!ありえないだろ!」と言ったのでした、彼は。
アハハ、アン時の旦那と一緒だ!
「何で草なぎ君の潜水艇、この水圧に耐えられるんだ?ありえなーい!」って思った私は。
そうですよ、素直に楽しむ心こそ必要なものです。特にSF・特撮物では。改めて思いました。
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トランスアメリカ

映画タイトルINDEX : タ行 No Comments »

監督 ダンカン・タッカー
出演 フェリシティ・ハフマン、ケヴィン・ゼガーズ、フィオヌラ・フラナガン、キャリー・プレストン、バート・ヤング、グレアム・グリーン

キャッチフレーズが全くそのままと言う珍しい映画だった。
「世にもフクザツな親子が愛を見つけた旅物語」
こんな設定がありえて、しかも不思議なことに、ごくノーマルな私がなにがなし感動して劇場がすっかり明るくなっても立たずに最後の一人になって席を立つとは!
この映画を見ているとあらゆる性の概念が受け入れられて、偏見がこの世からなくなったような錯覚を覚える。
だから主人公の母の反応が一番普通なのに、一番エキセントリックでおかしいとすら思えてしまうくらいだ。
主人公を演じたフェリシティの好演は確かに素晴らしく光っていた。
本当に難しい役だと思ったのに、時には男性に確かに見えてしまったり、時には本当に女性らしく見えてしまったり?
女性でしかない?私から見ても「私より圧倒的に女性女性している・・・!」と、思ってしまったところで、彼女の演技に脱帽した!
一番ピンクの女性らしい服装をしてはにかみながら表れた時に一番からだの線が男性的に見えたあの不思議!
そして性同一性障害の父?、その息子が又ゲイであることのなんと言うか因縁みたいなもの。
これは下手すると「親の因果が子に報い・・・」的な世界になりかねないのに・・・実に人間の個性は個性として描かれていると言う意味でのおおらかさ。
だって、思わず笑いが漏れる場面もそこそこあったし。
私にとっての「凄い!」はあのカウンセラー!
的確な助言とサポート。性同一性障害については日本でも最近良く知られてきているけれど、多分あのようなサポートシステムは無いのではないか?と、思う。あっても足りない?
この障害だけについてでなく、あらゆる障害、病をサポートするシステムが向上することが今の社会では急を要するのではないかと思って見ていた。
うつ病での自殺者の数の多さについてのニュースを見た後なんか。
アメリカのドラマを見ていると(あくまでドラマの世界のことですよ)、社会そのものが日本より難しくなっていると思うのに、意外にいいサポート体制がとられているのに感心することがある。
勿論その分取り残されもれている人の多さも又物凄く多いのではないかという推測も出来るのだけれど・・・。
色々なことでの「カミングアウト」が日本でも増え始めているということは、それだけ社会が人の多面性を?個性を?認める方向に進んでいるのだと思いはするけれど、こんなに多面的になった社会と言うのは本当に成熟した社会を意味するのかどうか私には未だ分からない。
ただ実際に障害を抱えた人が居る限り、支えあい認めあう社会こそが優しいと言えるのだろうと、完全に女性になった「父」を見る息子の愛情の籠もった眼差しに思わされた。
事実を受け入れる側にも勇気とおおらかな愛情が要求されるという試練は避けられないが!
しかし自分の生涯にかまけて息子の事などすっかり忘れた親が旅を重ねて息子への愛情に目覚めていくところなど、「いいなぁ!」
一寸時間が短すぎて急ぎすぎのような気もしたけれど、「これでいいのだ!」気分!
だからある意味複雑な映画なのに、後味がとてもハートフル。
フェリシティの「デスパレートな妻たちⅠ」を楽しく見ていた。
そして彼女の役が一番好きだったから、この映画が来るのを楽しみにしていた。
間もなく「デスパレートな妻たちⅡ」が始まると言うので、それも楽しみにしている。
素敵な女優さんを見つけた!
一緒に見に行った友人はため息をついて「あんな可愛い息子一家に一人欲しいわね!」と言った。
いかにも女の子のお母さんが言いそうなことじゃありませんか?
「それが最初に言う感想ですかね?家には可愛いのが2人居たけどね・・・」過去形ですが・・・???
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太陽

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監督  アレクサンドル・ソクーロフ
出演  イッセー・尾形、佐野四郎、桃井かおり、つじしんめい、ロバート・ドーソン

さーて、何から書けばいいのかな?
シネパトス単館上映なので仕方が無い・・・と、30分前に映画館へ言ったら、長蛇の列(あの映画館の収容人数にしては)、案の定立ち見ですって。座りました!
不思議な映画でした。
色調といい、全体のトーンといい、リズムといい・・・日本映画なんだと感じてしまいました。
勿論登場人物は非常に少ない映画で、しかもその殆どが日本人ですから、そうなって当たり前と言えばそうなんですが、ロシア映画なんですね、これが!
私が生まれたときにはもう昭和天皇は人間でしたから、戦前・戦中の教育を受けた人々の混乱は知らないのですが、その天皇の人間宣言を録音した技師が自裁したと言うことはこの映画で初めて知りました。
この映画のこの一瞬で天皇が人間だと言う私たちにとって余りにも当たり前のことに当時の人々が受けた衝撃というものを知りました。「The Sun.」って言葉が一度出てきました!
大体私たちは授業で戦争前後の事を習っていません。
戦国時代から明治初期までを猛烈に熱を持って何時間も掛けて教えてくれた歴史の先生に「学年が終るまでに教科書終らないぞ?」と心配していた私を思い出しました。
高校二年生だったでしょうか。
学年が終る頃その歴史の先生は「教科書の残りは自分で読んでおけばいいでしょう。入試には出ません!」と言ったことまで思い出しました。
受験校の受験予備軍だった私はそれで安心してしまってその先は読みもしなかったのだということも。
だから当然自分の子どもたちがその頃の歴史を習ったのかどうかと言うことさえ私は知りませんし、別に気にもしていませんでした。
この映画の面白いところは?と言う言い方は合っていませんね。興味深いところは・・・私は大和絵の屏風を思い出したのです。
金箔の地に雲があちこち書かれたあの屏風絵です。
あの雲の役割です。省略も飛躍も襤褸隠しにも、自在に使われるあの雲です。
この映画も、人間宣言の録画場面は流しませんでした。
ただ天皇の「ぶつぶつ」と最後のほうで侍従長に天皇は「あの青年はどうしたかね?」と言う質問で表現しています。
そしてその答え。その反応。あの反応は人間の反応でしょうか?神の反応でしょうか?私には分かりませんでした。
他にもその手法を思い出させられたところが随所にありました。
イッセー・尾形さんの天皇の造形はあの口もごもごの最初の瞬間から(私の記憶の中の昭和天皇はいつもああでしたから)昭和天皇として違和感なく収まってしまったので、画面での彼の行為すべてをそのまま天皇のした事、言った事として受け入れてしまいました。
神としてでも、人間としてでも、悲しいくらい、不思議なくらい中途半端な?極端に不足している?言動で、時々観客の間から漏れた失笑や哄笑(普通の笑いも)は尾形さんの演技の力に負うところが大であったにせよ、お気の毒な生涯だったと思わずにはいられませんでした。
私が戦前・戦中・戦後の時代の歴史教育をなにがしか受けていたら、きっとこうは行かなかったでしょう。
外国の監督が撮った映画で天皇が神から人間になった短い時間の変化を知り、受け入れてしまったと言うことを正直残念に思います。(受け入れられるくらい見事な構成の映画だったと思います。)
あの時代の先生たちはもっと真摯に時代を次に担う子どもにきちんと歴史を見つめる事を教えるべきでした。
「自分の怠惰を棚に置いて・・・!」とも思いますが、戦後置いてきぼりにしたものが今の日本を苦しめる結果になっているのではないかという気もしましたから。
それにしてもマッカーサーとの会談。本当にあんなだったのでしょうか?
マッカーサーはあの会話で何を知ることが出来たんでしょう?
原爆を落とされたことに関する会話、マッカーサーの真珠湾言及の切り返し。「私は命令していません。I don’t know.」って言いましたね?
私も第二次世界大戦とその敗戦に関しては「I don’t know.」です。情けないことです!

パイレーツ・オブ・カリビアン・デッドマンズ・チェスト

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監督 ゴア・ヴァービンスキー
出演 ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレー、ステラン・スカルスガルド、ナオミ・ハリス

「呪われた海賊たち」を見た時は正直ジョニー・ディップが「あんなんやるんだ!」式びっくりで、それまでの作品のジョニーファンとしてはチョビット居心地が悪かったんですけれどね。
それもほんのしょっぱなだけで、後はもう楽しむだけ楽しんだ!って感じでした!
「面白かった!」
ただただそれだけでした。
元々海賊物は好きです。
子供の頃読んだ「黒い海賊」大好きでしたもの。ワクワク・ドキドキの宝庫で、黒い海賊の生涯に涙を振り絞ったものでした。
総督なんて名の付く者はあの時も「怪傑ゾロ」でも悪智恵の回る強欲な卑怯者に決まっていましたよね?
日本のやくざみたいに?海賊も二つ名があるんですよ。
バスク者とかオローシャ者なんてカッコがいいなぁと思いました。が、私小学生でしたね確か。
だからバスク地方が何処だかまだ知りもしない頃でした。
イタリアの山岳地帯が山賊の故郷だとすれば海賊の産地?はバスク地方ですよ・・・ということは確か「モンテ・クリスト伯」で知ったのだと思いますが・・・?
ジブラルタルからカリブ海、南米のスペイン領辺り、マラカイボまで「黒い海賊」は黒い海賊旗を掲げて海賊船で走りまわったのでした。
彼はスペイン人?だったと思いますが、ジャック・スパロウ船長はどこの出身ですかね?
この南海カリブに出没する海賊はバイキングとは違ったもう少し突き抜けた明るい野蛮さがあるような気がして、結構気に行って何度も読んだものでしたが、あの本もう探しても無いのですよ。
とにかくジョニーのジャック・スパロウ船長は秀逸でした。
ますますジョニーのファン度がうなぎ登りに上がったような気がしました。
ユニークで可愛くて危なくて怪しくて目の話せない海賊だったじゃありませんか。
一挙手一投足おかしくておかしくて、なんて達者なんでしょうね?
一寸やってみましたけれど?あんな格好で歩いたり走ったり簡単に出来るもんじゃありませんでしたよ。(君はアホか?)
絶対本人も楽しんでいなくてはあそこまで出来ないですよね?
だから二作目楽しみにしていました。それッ!と出掛けたんです。
それで前作よりもっと夢中で笑って笑って面白くて楽しくて娯楽大作ってこれ以上の物はないでしょう!って気分で帰ってきました。
どうやって撮ったんでしょうね?っていうところばかりなのに・・・まぁそんなことどうでもいいや、楽しかったんだもの!です。
思い出しても楽しい。寝る前も映像をズーッと思い出していたらなんか笑って寝ていたような・・・笑顔が顔に張り付いたまま目が覚めたような?
でも、あんなところで終らないでよー!と叫びだしたいと思いませんでした?
最後に出てきたのジェフリー・ラッシュでしたよね?バルボッサ船長?で、ジャック・スパロウ船長はクラーケンの口の中?
まさか次回のパイレーツ・オブ・カリビアンは最後に助けられるまでジョニーは出てこないなんていうことは無いでしょうね?
そういえばジャック・スパロウ船長、一寸いい事を考えている時とか思いついた時とか・・・いい人になっている時って、目の下の隈薄くなっていませんんでした?そんな気がしたんだけど。
あー、早く見たい!!!
頑張っているのにオーリー君、割り食っちゃっていますよね。一寸可哀相な気が・・・

秘密のかけら

映画タイトルINDEX : ハ行 136 Comments »

監督  アトム・エゴヤン
出演  ケビン・ベーコンコリン・ファース、アリソン・ローマン、ソニヤ・ベネット、レイチェル・ブランチャード、デヴィッド・ヘイマン、キルスティン・アダムス

遅くなりましたが、やっとこの映画を見てきました。しかも恐るべき劇場で・・・ま、それはどうでもいいことですが、この二人の組み合わせの映画を今まで見落としていたことが許せませんよっ!
エゴヤンという監督の作品は初めてでしたが、このコリンとケビンのコンビが出来たこと、そのことが私にとって収穫でした。
二人ともなんとしなやかだったことでしょう!
でも今日劇場に女性は私一人でした。いやだったなぁ!
二人の、コリンとケビンの個性が際立っていました。
だからサスペンスもよりサスペンスフル(こんな言葉あるかしら?)に感じました。
ただ、秘密を拾い上げようとするジャーナリスト役のアリソンが私には填まらないように思えました。彼女のまあるい驚いているような目(一寸狸目?)が、サスペンスを引き算していくような気がしたんです。
誰なら・・・と考えているのですが・・・もう少し翳りを見せる目、表情の多い目、知的でもある目、そんな目で迫って欲しかったです。
ケビンの歌声にかぶさるコリンの声、全く正反対の声が奏でるコントラストの妙がコンビの在り様を象徴的に表現していることといったら!
コリンのあの一寸高めでクリアで明瞭な声が私の耳をするすると滑っていくんです。本当に特徴的な声の人だと、改めて聞き知りました。
二人が代わる代わる話していくとその声だけで物語のトーンが切り替わるようで、心臓の鼓動を司どられてしまったような気がしました。
あの声の遣り取り・交代が意味は分からないながら画面を二つのサイドに引きちぎって謎をより謎に、嘘を真実っぽく、真実を嘘っぽく重層にしていく効果があったような気がします。
二人の声で二人の気分を、言い分を?も、私の耳が飲み込んでいるうちに段々この二人が俳優本人のように思えてきてしまって、不思議なことに私はモーリーンを殺したのがこの二人ではありませんように!と殆ど祈りながら見てしまいました。
コリンじゃありませんように!
ケビンじゃありませんように!
二人は二人ともお互いが殺したと「知っていて!」その秘密をお互いに死ぬまで秘密のままに持っていこうとしていたんだ!
ということに気が付いた時、彼ら、「ラニーとヴィンスのコンビ」というコンビのありようがパァッと頭に閃いて、同時に時代の空気も閃きました。
秘密の後ろにあったものは、彼らコンビの間にかって存在した夫婦愛に近い友情の名残りだったのかなという印象も閃いて、そして(どっと!)ほっとしました。
どんなものにしろコンビって難しくてミステリアスなものなんですね。すべての連れ合いさん、心しましょう。
1950年代と今との彼我の隔たりを強く意識しました。
現代だったら起きなくて済んだかもしれない事件でしたよね?
一番変化の大きかった1世紀って何時でしょうね?
今を生きている私には歴史がはっきりしてきてからの人類にとって「20世紀こそが一番!」と思えるのですが、21世紀に生きる人たちは「21世紀だった!」と思うのかもしれません。

ミッション・インポッシブルⅢ (M:i:Ⅲ)

映画タイトルINDEX : マ行 134 Comments »

監督  J・J・エイブラムズ
出演  トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ジョナサン・リス=マイヤーズ、マギー・Q、ミシェル・モナハン、ヴィング・レイムズ

あまりこういう映画については書くことは無いのですが・・・だって、そうでしょう?
「凄くスリルがあって!スピードがあって!とっても楽しめたなぁ!面白かった!!」
って書くともう十分言いたいことは伝わったかな?って感じですから。
全くその通り!でした。
今回もトム・クルーズファンの友人に誘われました。
私はトムのファンではありませんから本当はどっちでもいいのですけれど(鼻が一寸立派過ぎません?私の劣等感?)、彼女のおかげでこのシリーズちゃんと皆見ています。
それで本気で楽しんでいます。
好きです!
昔のTVのシリーズが好きで見ていましたから、最初「見ていいんだかなぁ?どうだかなぁ?」と迷ったのですけれど・・・「Ⅰ」が意外な展開だったので、「これはこれで楽しめるぞ!」とまぁ、いつもの伝で(私は大抵楽しめちゃいます!)来るのを楽しみにしているシリーズの一つになってしまったというわけです。
あの音楽を聞くと若かりし頃の自分にパタッとスイッチオンしちゃうようです。
なぜか私の友達にはトムファンが多いです。同じトムなら私はハンクスの方が好きですけれどね。
それはそれ、これはこれというわけで、夏休みの男の子が多い映画館で楽しんできました。
おばさんにはトム・クルーズファンが多いので?おばさんもいつもどおり多かったのですけれど・・・でもこの映画の事をことさら書くつもりは無かったのです。
先回ジョナサン・リス=マイヤーズの事を書いたので、ヤッパリ補足しておくべきかなぁ・・・と。
この映画でジョナサンはそう見せ場は無かったのです、はっきり言って、残念なことに。
でも私が見た前2作より身体もがっしりしたようで「着実に大人になって、成長しているよー!」って、書きたかったのです。
彼を知らないという友人に「ジョナサンに注目してよ。みっともないと思ったかどうか聞かせてね?」って言っておいたので、映画が終った後の彼女の最初の科白は「分かったよー、でもちっともみっともなく無かったよー。悪くないよー。」でした。
そう私も「顔が纏まってきた?なぁ!」という感じを受けました。
この映画で初めて彼を見たなら、きっとみっともない子だなぁ・・・なんて思わなかったでしょうね。
彼を見つけ出した人に拍手を送りたいものです。同じ意味でケビン・ベーコンを見出した人にも!
大人に成りかけの男の子ってこういう「危うい時」があるのでしょうか?
トムさんのアクション、凄く新鮮って言うわけでもないのですが、川筋を全力疾走するところなんか凄く感心したくせに(全力疾走なんかこの30年?もっとかなぁ?したこと無いもん)、友人も私も思わず笑ったりして・・・本当にサービス豊かな映画で楽しかったなぁ!ハラハラもドキドキもしたし、乗り出したし!彼は絶対退屈させませんよ。あ、最近では「宇宙戦争」を除いて。
そういえば、太った悪漢って、普通の悪人よりひときわ不気味に恐いのは何故でしょうね?そう思っているのは私だけ?
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気になる二人?

俳優についてのコラム, 映画タイトルINDEX : カ行 33 Comments »

ケビン・ベーコン
ジョナサン・リス=マイヤーズ

「えぇーこの二人同じ枠でいいのぉ?」
って声が聞こえそうですが、私自身何でこの二人を急に書きたくなったのかよく分からないんですけれど・・・(アハハ?)先日新聞に広告が出て、ジョナサン・リス=マイヤーズの映画がこの秋公開されると読んだ途端ふとケビンを思い出したんです。
ジョナサン・リス=マイヤーズの映画ってまだ、3本しか見ていないんです。
「ベルベッド・ゴールドマイン」「ベッカムに恋して」「M:I:Ⅲ」
「ベルベッド」の彼は一寸忘れられないのです。不気味でもあり、魅惑的でもあり、異様な磁力を発していましたが、その一方でみっともない子だとも思いましたね。
そして「ベッカム」ではなかなか気持ちの良い青年を等身大で演じていたという感じでしたが、それでも正直なんてみっともない青年だろうと確認しちゃいました。
それは丁度ケビン・ベーコンが「フット・ルース」でブレイクした時にも、何でこんなみっともない子が主役のこんな魅力的な少年を演じさせてもらえたんだろう・・・?と、思った事を思い出させたからかもしれません。
随分年は違いますが、印象に残りかたが同じだったのです。
どちらも初めて出会った作品が方向はまるで違ってもどちらも音楽ものでしたしね。
そしてケビンが凄い性格俳優になっていったような感じにジョナサンも進化しているという気がするのです。
「フット・ルース」の後ケビンにめぐり合ったのは十年近くもたった「ア・フュウ・グッドメン」と「激流」でしたから、ホント驚きました。
少年の面影は拭い去ったように消えて精悍な役、悪役を見事に演じる俳優さんになっていましたから。それからはコンスタントに彼を銀幕で楽しんでいます。
「スリーパーズ」なんかこんな悪役をよくまぁ・・・こんなに悪く・・・?と思ったりもしますが(余りに上手すぎですよ)、「アポロ13」の彼は好きでしたね。
でも、どの作品でも彼は微妙な複雑さを織り込む一筋縄ではいかない演技をするなぁ・・・という感じがして、微妙に?私には目が離せない俳優さんなんです。
大好き!って言うわけでは無いのですけれど(だって私は面食いなんですよ?)、彼が出ているとその作品にはちゃんと厚みがでるだろうな、という信頼がおけるとでも言いますか。
そしてジョナサンもです。居るだけでそこが確かになるという気分を与える俳優さんになりそうだなぁと。
だから普段「彼の作品来ないかなぁ・・・」と、意識して待っているわけでもないのに、新作の予告にケビンやジョナサンの名前を見つけると「お、ちゃんと活躍しているな?」と応援団みたいにほっとしてしまうんですね。
ケビンは今度はどんな役柄をどんな風に見せてくれるんでしょう?
「秘密のかけら」コリン・ファースと共演しているんですよ。
早く行かなくちゃと、心はせいているのに・・・忙しい!でも行くぞ!
ジョナサンは「マッチポイント」ではスカーレット・ヨハンソンと共演の主役らしいですから、秋を楽しみにしていましょうかね。
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