ある愛の風景

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監督  スザンネ・ビア
出演  ウルリク・トムセン、コニー・ニールセン、ニコライ・リーコス、ベント・マイディング、ソビョーリ・ホーフェルツ

確かに「ある愛」のある家族の肖像といった映画でした。
なるほどね、原題は知りませんが、間違いなくミカエルの愛の背景を描きこんだ映画でした。愛のための究極の選択、そしてその顛末?でも顛末は見る人それぞれにとって違ってくるかもしれません。
何があったのか「知りたい!」と言う気持ちは女ほど強いでしょうが、知った後はその女人の資質の問題かもしれません。
さて、あなたならどう受け止めますか?受け入れられますか?でしょうか。
唯この問題は普通の人にはまず起こりえない選択です。特に日本人の場合には。「職業軍人には?」ということなれば日本の場合自衛隊員が当てはまるでしょうか?
それで思い出しました。知人の場合です。お嬢さんが防衛大学に合格しました。「卒業して任官しないと非難されるから二年生で慶応に編入させるつもり。」と言っていましたが、実際行き始めると「凄いのよ、下着から着るもの一切支給、給料も、ボーナスも、食料缶詰類もダンボールで支給。これ辞める手は無いわね。(今も防衛大ってこうですかね?)」で、結局卒業と同時に?結婚退職という道へ。こんな職業軍人?生み出している国の兵士だったら、生き延びるためだったら、こんなに悩まないんじゃないか?なんてふっと思ってしまいましたが、これは余談の感想。
さて、こんな問題が起きるもう一つの場合は「海難。一つの浮きに二人取り付いたら?」でしょうか。私が思いつくのは。
「奪った方が生き延びる」が「可」ですと聞いた事があります。
ところがこの映画ではこれが残酷に突きつけられ、その後のミカエルの罪悪感・精神の荒廃苦闘煩悶地獄を生み出すことになります。
勿論彼の判断は「彼の愛する者、何より美しい妻、の元へ帰りたい」に尽きたわけですが、そうまでして帰った妻や子には彼の死が「受け入れられていた」と言う事実がつきつけられて、それがより彼を追い詰めていくことになったわけですが。最後の場面です。妻は優しく「何があったの?」と、問いかけます。彼は彼女の胸で泣けるだけ泣いたら何かが融けるのでしょうか?そして解けて流れた物は彼女の胸にしみこんでどんな変化を遂げるのでしょう?私にはここから先にも物語があるような気がしてしまいました。女にとっての物語が。女にも突きつけられるものがあってしかるべきでしょう。
何があったのか、色々な事情が想像されるわけではないじゃないですか。あの夫がここまで変わってしまうのだから?それをびっくり箱を開ける様な安易な感覚では聞き出せないでしょう?知りたがるって事はそれ相応の責任を背負い込むことですよ・・・本当にいいの?とサラに聞きたくなったのは、サラが余りに女性らしかったからです。美しすぎたからです。ねぇ、美しい女には選択の余地が広いんですよ。女だから分かります?あの弟が本気のやる気を出せるようになったのは何故です?ミカエルは泣いた後、心を解いた後、生きていけるのでしょうか?鍵を握るのはサラなんですよね?女で生きることは怖い!と、思わされました。ミカエルのために、兵士である人のために、本当につらい悲しい映画でした。今も何処かで死んでいくかもしれない兵士を思いました。
この映画、リメイクされるって?ハリウッドの見知った顔の俳優で見るのはちょっとどうかな?まずいんじゃないかな。ジェイクは好きだけど・・・映画が死ぬような気がするんだけれど?
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4分間のピアニスト

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映画「4分間のピアニスト」オリジナル・サウンドトラック 映画「4分間のピアニスト」オリジナル・サウンドトラック
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監督  クリス・クラウス
出演  モニカ・ブライブトロイ、ハンナ・ヘルツシュブルング、スヴェン・ビッビッヒ、リッキー・ミューラー、ヤスミン・タバタバイ

この映画も音楽好きの友人に誘われたのです。実際予告編で見たときにはこの映像が発する「情念」と映画の音楽性が垣間見させる深い「葛藤」の世界って凄いかも・・・ってまぁ感じたのですが、に、惹かれていた私は一もニも無く「行こう!行こう!」だったのですが・・・
実際は見終わったとき二人で顔を見合わせてしまいました。
いつもだったら凄く素直に「よかったわねぇ・・・・」と映画を見終わったときに言う彼女も呆然っていう顔でした。それは合わせ鏡の様に私の気持ちを現していました。
だって、何ていったらいいのでしょう?
期待にたがわず、いえそれ以上に最後のジェニーの弾く、または叩くピアノは魅力的でした。ひょっとしたらあの呆然顔はその音楽の力によるものだったかもしれませんが・・・それはまさしく呆然たる素晴らしさでしたから。
でも、違います。
コンテストの場面は圧巻です。それだけは絶対書きたいです。ピアノ曲の素晴らしさも、それを叩くハンナの演技力も!このピアノだけがこの映画で何かを語った唯一のものだという気がします。
では何が足りないのか?
癒しようの無い孤独もいらだつ心もたけり立つ感情も納めきれない憎しみも、女なら理解できます。いえ、人なら大抵理解できるでしょう。だからこの映画が多分語ろうとした事を見に来た全ての人が共感を持って理解したいと望んでいたことでしょう。
希望、最後の奉仕、理解、受け継がれるもの・・・物語の筋書きにはすべて含まれていることは分かります。もう既に共感しようとこちらは(見るものは)待ち構えているのです。にもかかわらず私は肩透かしを食ったような、お預けを食ったような気分です。
余りにも無駄を殺ぎきって、見る人が自分の想像力と理解力を総動員して感動してくれますように・・・と、作家は期待しすぎたのではないでしょうか。それが芸術だと?見る人を買いかぶりすぎたのではないかと思えてなりません。言葉を削ぎきるなら、それに見合う背景の入念な書き込みが必要です。言葉ではなく語るものが。ヒョットすると研ぎ澄まされ削りに削った科白の翻訳が下手だったのかも知れません?ん、そうかも?そういう可能性もあるか?
映画が言いたいことがこんなにわかるような気がするのに、こんなにもどかしい映画はありませんよ・・・と、不満です。「無口」が語った映画を一寸前に見ましたよ。「グッド・シェパード」でした。多分この「4分間のピアニスト」の方がより多くの共感者を生む可能性が高かったのに・・・と、私には妙に惜しいような、高みに登り損ねたような映画でした。クリューガーが美貌だった?ことも垣間見られました。彼女の過去に起きたドラマがもう一つ分かりやすければ・・・そこも見たいのですが、見えなかったのは私のせいかなぁ?彼女のかたくなさの底も、まだそう長く生きてきたわけでもないジェニーの心の荒れ狂う底も、見えそうで見えきれないのです。それを乗り越える二人の間に流れるものが見えてこないのです。過去は、二人の気楽ではなかった過去が二人の絆になる理由がどうしても見えてこなかったのです。あの二人にそもそも分かり合える何かが存在するのでしょうか?ヒョットするとそれこそが、見えないということこそ言いたい事だったりして・・・と、疑心暗鬼です。でも多分あの4分の演奏はクリューガー先生の心にも間違いなく響いたのですよね。

ベオウルフ/呪われた勇者

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監督  ロバート・ゼメキス
出演  レイ・ウィンストン、アンソニー・ポプキンス、ジョン・マルコヴィッチ、ロビン・ライト・ペン、アンジェリーナ・ジェリー、クリスピン・グローヴァー、ブレンダン・グリーソン、アリソン・ローマン

今思い出しても「世界少年少女文学全集」って凄かったんだなぁ!
「続・3丁目の夕日」で淳之介君が読みふけっていたからではありません。「ベオウルフ」最古に近い?英語で書かれた文学ですって?大昔あの文学全集には様々な国の神話と共に英雄譚も収録されていました。小学生だった私が「サガ」とか「エッダ」とかいうものを知ったのもあの全集でした。様々な国の文学を童話から大作家の作品まで本当に良く網羅していましたよ。あれは読書の素晴らしい指針になりました。
さて「ベオウルフ」は残念ながら知りませんでしたが、サガやエッダの時代に近いものでしょうか?映画館の予告編で見たあの変な映像は私には妙に中途半端に思えて、リアルではないし劇画アニメでもない、あれはなんだ?でした。だから英雄冒険譚のようでファンタジーだとしても、サガやエッダの時代の古い古い英雄譚としては興味は惹かれるものの「あの映像は私の好みに合わないかも・・・どっちかはっきりしてもらいたいよ。」でした。見たいか微妙って所です。
ところがこの映画にアンソニー・ホプキンスやジョン・マルコヴィッチの名が挙がっているとなったら?「話は別!」になります。
と言うわけで出かけてしまいました。それにこの頃には「ベオウルフ」の素性も少しずつ情報が入ってきていましたからね。一寸想像力を刺激されていました。太古の英雄?魔物との契約?おぉ!
映像の技術的なことは私の判断の外です。だからその評価はするつもりも出来もしません。でも、物語は楽しめそうです?
結局、アンソニーの、ジョンの、造形はいやでした。どんな人物でもその俳優に「演じて」貰いたかったです。大好きなアンソニーの顔だけが蠢いている感じで一寸おぞましかったです。ジョンにいたってはこれだったら無名の俳優を使ったらいいのに!でした。
映画を俳優の演技を楽しむものだとすればこれはそういうものではないという気がして、アンソニーの映画一本見損なった損失感が沸きあがってきました。
ただ、不思議なことに?アンジェリーナだけは妙に填まりました。ロビンがまるで命の無いロボットレディみたいになっていたのとは正反対にアンジェリーナだけは命の通っている魔物でした。彼女の顔のインパクトの強さが映像処理に負けなかったのかな?なんて思ってしまいました。ホントカナ?
それに一つ救いは竜が飛んだことです。何故か私は竜を見るのが大好きです。竜ってワクワクスイッチです。これがポンとでてくれば私はウキウキワクワクドキドキになれます!子供の頃からこれだけは進歩なしです。だから最後のベオウルフの決戦は一寸興奮しました。ここはファンタジーやなぁ!です。でもねぇ、逃げ惑うロビンの顔に感情が窺がえないのでハラハラ感が半減です。
やっぱり人間実写でこの映画見たいな。別に最先端技術なんてどうでもいいよ・・・と、アナログ人間は帰って来ました。そしたらやっぱり過去にちゃんとまともに?映画があったみたいです。ジェラルド・バトラーですって。怪物の処理どうしたのかな?そっち見てみるかな。
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マリと子犬の物語

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監督  猪俣隆一
出演  船越英一郎、松本明子、宇津井健、広田亮平、佐々木真緒、
徳井優、高嶋政伸、小野武彦、梨本謙次郎

邦画連続四本、やっぱり邦画の全盛期!でしょう。こんなこと始めてじゃないかなぁ・・・友人がチケット当たったとかで連れて行っていただきました。
何回も予告編見ていましたから、この犬の容貌に惹かれていました。
父は秋田犬のくまとしろを飼った後、捨て犬のぽちを飼っていましたから?私も和犬好みです。(今時犬にこんな名前付ける人いないよね?)飼うなら柴犬と思っていたのに子供にせがまれて飼ったのは頂いたシェットランドでした。老衰でその犬が亡くなった後もう犬いない歴11年になります。
こんな映画見ちゃったら犬が飼いたくなるのは火を見るより明らかです。絶対泣けるよねぇ・・・とも思えたので行こうとは思っていませんでしたが、見せていただけるのは大歓迎です。
この映画は予想を全く裏切りませんでした。
中越地震の実話で絵本となってヒットした物語の映画化だそうです。取り残された動物のニュースを読んだ記憶があります。
余りに予告編から推測されたとおりぴったりで・・・それに特別な何かがプラスされたわけではありませんでした。
見事な犬と健気な子供といい人と災害国に住んでいる不安と悲しさの上の、心優しい心温まるこれ以上ないくらい素直ないい映画でした。ハンカチをしっかり握って見ました。むしろ家でTVドラマとして見られたらもっと心行くばかり安心して涙腺全開できたでしょう。こういう映画に言うべき言葉はありません。
予想される人が予想される人を演じて、その上に実に可愛らしい子供が健気で上手で、見守る大人には優しさ思いやり以外の物は見当たりません。災害の時助け合う人の心はこんなにも澄むのでしょうか?人っていざと言う時思っていた以上に素晴らしいのかも知れない!
私がこの災害の当事者になっていたらこんなにも心に余裕を持って日々を過ごせるか本当に情けないながら疑問です。疲れ果て、不安に心苛まれて、棘棘ハリネズミのようになって、グチばっかり言っているのではないかと・・・でもこんな映画見ていると、人を信頼しようと素直に思えるからありがたいです。
最高の人間の友人である犬という動物の可愛らしさ・素晴らしさを堪能し、人に心を許して帰ってきましたが、あの坊やが少々心配です。実在の子供ならなお更心配です。そんなにきっちり頑張らなくていいからね、時々背負わされた義務なんか忘れて友達といっぱい走り回ってね!なんて言いたくなったり。
どうにもならないことが人生には何度も起きるけれど、それを乗り越えて行くのが人生かもしれないけれど、乗り越えられない時は迂回してぼちぼち生きて行けばいいんだよ・・・なんて言いたくなったりもして。地震災害多発国に生きてはいてももう誰も、誰一人も地震で命を奪われることが無ければいいのに・・・と思い。色々ぼやっと思いながらそれでもホットな気分で帰ってきました。誘ってくれてありがとう!
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椿三十郎

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監督  森田芳光
出演  織田裕二、豊川悦司、松山ケンイチ、佐々木蔵之介、鈴木杏、中村玉緒、小林稔侍、西岡徳馬、風間杜夫、藤田まこと

暫く映画日照りでしたから、何でも見たかったのですが・・・流石にこの映画は考え込んでしまいました。
「見るべきか、見ざるべきか」行ったり来たりの悩ましさ。ところがそれにチョンと終止符がつきました。友人が見ようと言ってくれたのです。一緒に行ってくれるならなんだって行っちゃいます!が基本の私です。二つ返事で行っちゃいました。
それで・・・今年最初の映画は 「武士の一分」でした。そして奇しくも今年最後の「邦画」が「椿三十郎」!って、奇しくもないか。
今年は結構時代劇を見たなぁ・・・って言う気がしています。これって嬉しい感じです。しかも手ごたえのある「邦画三連荘」なんてことが出来ちゃうのですから、日本映画再黄金期?再って何時からの?なんて聞かないでください。ついこの間まで黒澤さん仕事していたような気がしているのですから。
誘ってくれた彼女は面と向かって聞いたことはないけれど多分「織田君ファン」です。で、白状しちゃいますが私も「織田君好き」です。だから割り切って「織田君を見に!」行けばいいのだと腹を括りました。三船さんのあの不思議な味は彼の発声が聞き取り難くて「それが傷だよ。」と思っている私にも作用しまくっていますが、その点織田君にはそっちの方は全く心配がありません。彼のクリアで明るい声大好きです!ついでに笑顔も大好きです・・・ってわけで腹を括れば・・・凄く楽しく見ごたえある映画でした!
素直によく知っている筋書きもその会話も「昔の通り!」と思いました。だからか?
「松山君は鬘は駄目だわ!」とか、「佐々木さんの木村さんは出色だわ!」とか。最も小林さんも「出色だわ!」と思ったんだった。
団体さんだからまぁいいんだけれど、若侍群に見る楽しさがなかったなぁ!味云々以前に妙に様にならない若侍ばっかりだわとか・・・。彼らが昔の若侍さんたちのように大成するかとても疑問です。
同じ馬面が売りでもあのなんともいえない表情・雰囲気で伊藤さんに軍配!とか、比べる楽しさに流れてしまったきらいはあるけれど、それも製作する側の思惑通りかな?
じゃァ、肝心の「三船・織田」「仲代・豊悦」は?って聞かないでください。「入江・中村」は?とか「団・鈴木」は?とかなら即どっこいどっこい!と言えるんだけれど。
ただね、昔の人の方が味があったと思うのは私がむしろ昔の方の世代に近いってことかな?勿論志村さん、藤原さんの事を言っているのだけれどね。前作を研究し尽くしてリメイクして前作を凌ぎきれていないというところに黒澤さんの偉大さを見れたし。それにあの見事な椿の御所みたいな椿屋敷の色鮮やかな椿。それがあの白黒映画の方が思いっきりドキッとした記憶があるのですよね。より鮮やかな記憶になっているのです・・・その不思議!
でもこそこそっと白状すると45年も前の「椿」と今の「椿」と多分代わる代わるに見たい!どっちも好き!といえるってことは結局映画は脚本?
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やじきた道中 てれすこ

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監督  平山秀幸
出演  中村勘三郎、柄本明、小泉今日子、ラサール・石井、笑福亭松之助、淡路恵子、間寛平、笹野高史、松重豊、藤山直美

ありえない邦画三連荘の真ん中が「てれすこ」と成りました。
ま、行かれた人はてれすこの説明要らないでしょうし、行く予定の人は聞きたくないでしょうし・・・というような微妙な代物です。とりあえず金馬さんの「てれすこ」でも聞きましょうか?それからってものかもしれません。
ってーか、この場合、面白い題をつけたいからだけだったんじゃないか?って気もしないでもない代物です。最後に食べた弥次サンの幸せ感に結びついて意味を成したって感じですから、一緒に行った旦那が「今一だった、ウン今一だった!」と、繰り返したのにも頷けます。
でも、のっけの老いたおさん・茂兵衛には思いっきり笑わせてもらいました。会話の魅力ってやっぱりこんなんですよ。絶妙!
松之助さんに長谷川一夫さんを被せるとなんかにやにやしてきちゃって自分の中で笑いが完結しちゃいました。
この淡路さんと比べると明るくおきゃんで擦れてて粋のいい(筈?)のお喜乃さんの今日子さんは声のよさと思いっきりの良さで吹っ飛ばしただけって気がしてしまいます。科白で説得力に欠けたかな?男性陣二人が余りにも芸達者な科白に説得力のしっかりありすぎるほどの人でしたからね、可哀相。っていうか、小泉さんの持って生まれた愛嬌がしっかりカバーしていてくれて、かえって下手な演技上手の半端な人を持ってきたらどうにも成らなかったでしょうね・・・という感じでしょうか。
だからつまり?いい組み合わせだったんです、ハイ!
落語のあの話この話とつまみ食いして笑わせてもらって、楽しいひと時でした。デモネ、私の中では松重さん使っておいてあれだけ?っっていう気はしないでもない。何でこの俳優さんこんなに気になるようになっちゃったのかな?って不思議でもあるのだけど。好きな俳優さんもうちょっと見させてもらいたかったァ・・・旬ってあるじゃない?
道中どんどん前へ進んでいくんだから挿話一つ一つに引っかかってなんかいられない、その歩く早さが命です。それが実に上手く言っている部分で楽しませてもらえたって事でしょうね。ひと昔前のフランキーさんとかの完全娯楽総天然色っていう映画をぼんやり思い出したりしていました。でも印象に残ったのは冒頭と飲んでしまった喜多さんのとぐろ!
サービス精神は間違いなくある。そして上手に見手をくすぐる会話とそれをうまく聞かせてしまう上手さと勢いのある俳優さんがいる、楽しいじゃありませんか!と、私は思って、くくくと笑いながら帰ってきたのですけれど、多分来週にはもうこの映画のことは忘れているかも・・・
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ALWAYS 続・三丁目の夕日

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監督  山崎貴
出演  吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、須賀健太、小雪、小清水一輝、三浦友和、もたいまさこ、掘北真輝、小日向文世、浅利陽介、小池綾夢

期待通りの映画が期待通りの画面で期待通りに進行していくということの小気味よさがいい感じでした。
昭和34年、私は11歳になりました・・・と言うわけでこの映画の真のターゲットは私くらいから年上の人でしょうね。
でもアットホームを絵に描いたらこんなソフトでホットでスウィートな世界・・・と言う部分ではどの世代にも受け入れられる余地有りの汎世代映画でしょう?
原作にお目にかかる可能性は皆無の私ですが、原作の支持者は当然若い世代でしょうから、圧倒的に見る人を選ばない映画です。
ただあの頃の記憶を探ってみると、もう少し街がきれいになっていたような気がしてなりません。昭和34年は・・・それでも私の80歳の友人の息子さん(私より1年学年が下)は「この頃学校でツギの当たったズボンでいじめられた記憶があって、今でも思い出すのがイヤな時」なのですって。そうはいっても小学校の頃は穴を繕った靴下や肘当てをつけたセーターは当たり前でしたっけ。
するってーと、町はもっとキレイだと思いこんでいるのは記憶の優しさかなぁ?
しかしお話を(エピソード?)を思いっきり詰め込みましたね。
「まだあるんかい?」と、終盤の「泣きなさい!」攻勢には参りましたけれど(ハンカチ出しました)、お隣のお嬢ちゃんたちも鼻すすっていたから、まっいいか。
結局どの話も皆気持ちがいいんだもの。期待を裏切らない科白もちゃんとそれらしいし、夕日のオレンジ色の暖かさがてんこ盛りだし。
ヒロミさんが読んで戻ってくるためにはあの小説しかなかったのか?と思わないでもないけれど、あれ小説としては一寸お粗末。
茶川くんの気持ちそのままの素直さは買わなきゃなるまいとは思うけれど、あれで芥川賞最終選考に残れるかって。感動の頂点で妙に白々と考え込む自分が居ましたね。あれじゃ本当のところ社長は評価できないでしょうよ。
それに前にも思ったけれど、小雪さんは踊り子としてもあの時代には育ちすぎじゃないかなぁ・・・でもでも、国際劇場ではエイトピーチェスがかっこよく踊っていたしなぁ・・・ありじゃないか?でもトモエさんの小柄さがいいです。
ホーローの看板攻勢もいいです。犬の育ち方もいいです。六ちゃんの彼とタバコ屋のオバチャンの関係もいいです。それに焼き鳥踊りをしている三浦友和さんて凄く好きです。三平謝りをする一平君はもっと好きです。給食時間に読んでいた「少年少女文学全集」は私も全巻おこづかいで買い溜めました。背のタイトルが読み取れなくて残念!
そしてそして、あんな蕎麦屋があって、タバコ屋のおばちゃんがいた町に住んでいた私だもの「いい映画だった!」の一言!ですよ。
大門のそばのおじいちゃんとおばあちゃんの焼き鳥屋さんの焼き鳥をもう一度食べられたらなぁ・・・年の瀬には浅草の尾張屋の蕎麦を食べよう・・・そういえば伯父さんの海外出張、親族一同うち揃って花束持って羽田へ見送りに行ったなぁ・・・今じゃ誰も行かないよなぁ・・・などと、見終わった後も思いっきり思い出すことが多いのも嬉しかったし・・・いいです!映画の付加価値感謝!
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グッド・シェパード

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監督  ロバート・デ・ニーロ
出演  マット・ディモン、アンジェリーナ・ジェリー、ジョン・タトゥーロ、マイケル・ガンボン、アレック・ボールドウィン、ウィリアム・ハート、ロバート・デ・ニーロ、エディ・レッドメイン、タミー・ブランチャード、オレグ・ステファン、リチャード・ヘイズ、マルティナ・ゲディック

ヤレヤレ、映画に飢えていました。忙しくて・・・ここのところ。やっと見られる久しぶりの映画、この作品に間に合いました。ロングランですね。「ヴィーナス」はもう手遅れだったのに。
それにしても見ごたえのある配役陣がそろいましたよねぇ・・・好き嫌いはともかく。それがこの作品をより一層重厚にしていたことは確かです。贅沢なあり方ですが正攻法なのかな?
マット・ディモンは「グッド・ウィル・ハンティング」から見続けていますが不思議に妙に魅力があります。本当なら埋もれてしかるべきあの「オーシャンズ」においてすら彼はちゃんと自己を可愛く際立たせていますものね。つまり私は好きです!
主人公がこれだけ語らないこんな長い映画ってそうは無いでしょうね?それなのにちゃんと感じさせて伝えてしまう(語られないだけに?こっちの都合のいい解釈にすぎないのかもしれないんだけれど)ところが魅力でした。つまり?伝わっていると思わせてくれたところが魅力的な映画でした。
主人公がしゃべり過ぎないと想像の余地がありまくり?思う様自分にひきつけることが出来ます。
これは映画の大事な資質の一つです・・・と、思います。
キューバ事件の記憶はまだ当時中学生から高校生くらいだった私にもあります。アレン長官も覚えています。
彼らの裏側にこんな物語があったのか!という観点だけからでも興味深い映画ではあったのですが、それ以上に映画の中の夫婦・父子は時代を写して、当時を思い出させる色合いがリアルでした。
冷戦下の米ソが、あの頃のニュースが色鮮やかに甦ってくるようでした。組織が必要とされ、それが構成されていく時、その足元には多くの踏み潰され足場となったものがあるに違いありません。
その時代時代が要求する生贄でしょうか。
そういう意味では普遍的な物語に仕上がって色あせない作品だと思って感心して見てきました。
あのジュニアを演じた俳優さん。あの立場であのように親を共に愛し憧れて(心を砕いて?)育ったならこの様に繊細で華奢に壊れ物のように育つだろうなぁ・・・まさしく!という感じで父子のドラマを際立たせてくれたようです。
「善き人のソナタ」は今年見たばかりの映画なのに、あの映画の中のマルティナさんとこの映画の中のマルティナさんを分かつ何かが女優という資質なんだなぁ・・・!
そしてボーンのマットとこの映画のマットを分かつものも・・・!
だから映画が好きなんだ。
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パーフェクト・ストレンジャー

映画タイトルINDEX : ハ行 312 Comments »

監督  ジェームズ・フォーリー
出演  ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョバンニ・リビシ、
ゲイリー・ドウーダン、クレア・ルイス、ニッキー・エイコック、ハイジ・クラム、フロレンシア・ロザーノ

ああああぁぁぁ・・・↓
ブルースの映画は一生懸命!外さない私なのに・・・友人と行くのに一生懸命我慢して、行けなくて、満を持して?やっと行けたのにぃ・・・
これってこの頃多いんですよって気がするんですが、「アクロイド」仕立てですよ。
ジョバンニさんなんて思いっきり怪しい人物とあの部屋を見せてしまって・・・ポワロさんの言う都合が良すぎる・多すぎる手がかりでしょ?これじゃぁ「お願い犯人はジョバンニさんだと思って!」ってお願いされているみたいで、しかもブルースは思いっきり当て馬?「はいはい犯人はボクと思っていてくださいよ」ですもん。
残りはだーれ?ブルースの奥さん役の女優さん一癖ありそうに登場してみるし、秘書は訳ありだし・・・でもやっぱり残りはだーれ?でしょ。
ブルースにハル・ベリーさんを組み合わせてスパイスにジョバンニさん、これは面白い組み合わせだぞ!と物凄く楽しみにしていたのに。
映画としてはこれはブルースさんでなくとも良かったのに!
ハル・ベリーさんのここのところどんどん増して行く美貌と魅力を徹底的に見せるだけの映画にしてくれれば行かないで済ませたのに!
そして現在の社会の、メル友の世界の危うさに警鐘を鳴らす程度にしてくれれば、それはそれなりに行ったとしても納得して帰ってこられたのに。
女に弱くて、金持ちの妻に見張られているのに浮気をやめられない?虎の皮かぶりの大富豪役だなんて、しかも彼が金を持っていないからいい弁護士も雇えなかった?「彼は犯人じゃない!」って私だってもっと上手く弁護して上げられる!なんて憤懣やるかたなく見てましたよ。
こんな事をしている場合じゃない!一年でも若いうちに「ダイハード5」撮る方に専念して!お願い!
でも、まぁ、ハンサムな彼を見られたからいい!そういい!
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ヘアースプレー

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監督  アダム・シャンクマン
出演  ニッキー・ブロンスキー、ジョン・トラボルタ、ミシェル・ファイファー、クリストファー・ウォーケン、アマンダ・バインズ、ザック・エフロン、クィーン・ラティファ、ブリタニー・スノウ、ジェームス・マースデン、アリソン・ジャーニー

嬉しい映画でした!
楽しくて最初のボルチモアの曲からすっかり弾んで乗ってしまいました。
何が嬉しいって?
予告編でトラボルタさんの名前を見てから眼を皿のようにして彼の素顔をあのビッグ・ママから引っ張り出そうと一生懸命だったのですが、映画本編を見終わっても見つけられないのでした!
いやー凄い!特殊メイクって奴?だってあの太ももからふくらはぎ、一寸怪しいお尻はともかく、ヒール履いたあの足、絶対あれは女性の足。ジョンの割れた特徴的な顎の欠片も無い滑らかなふくよかな顎・頬。瞳だけがそういわれりゃ彼?位の凄さです。その彼があの重さを微塵も見せずに軽ろやかにステップ踏むのですから・・・堪えられないでしょう?もっとお願い!もっと見せて!でした。
それにあのママ、シカゴのあの看守ママ!あの映画の凄い存在感忘れられない人でしたよねぇ・・・クィーンさん。それが若返った?みたい?歌は圧倒的に魅力!です。あの堂々さ?カリスマを感じさせる人ですよ。
2本続けて見られたミッシェルさん!スリムな厭味なお顔の美女!
あんなに美女であんなに厭味に作れるなんてやっぱりステキな私の好きな女優さんよねぇ!と、又惚れ直した?いえ、惚れ続けなんですが。
で、あのクリストファーさんの踊り。この人のダンス見ることがあるとは夢にも思わなかったけれど、実は・・・なんですね。やっぱり異才?
そしてザック!「ハイスクール・ミュージカル」ちゃんと見ていましたもんね。やっぱり正統派60年代風ハンサム。サンセット77のクーキー(エドワード・バーンズ)を懐かしく思い出しちゃった。
ハンサムがこんなに真正面からきらきらしちゃうと気恥ずかしいくらい好男子?役柄も一寸気恥ずかしい正統派正義感正直男の子。いいのかな?実際ありかね?この恋?ありだと嬉しい!そう有りよ!
あって欲しいよ!私って悲観的?いえ、現実的なだけ。
あのかっこいい報道官のアリソンさんがあんな保守的なお堅いお母さんだなんて?見違えてうふふです。
え、やっぱり年だねぇ・・・ベテランばかり褒めてる?ザックったってクーキーだから?イエイエそんなことはありません。
主演のニッキーさん!あのキュートさ、あの可愛さ、あの軽やかさ、なんて笑顔がいいんでしょ!本当に彼女と一緒に跳んで弾んでしまいました。きらきらピンクのお母さんと娘。可愛いったらないのよ、こんな嬉しい豊かな景色ってないでしょ?
それに親友のベニー、絶対「アメリカの女の子!」然でしょ?残り少ないアメリカの田舎の可愛い部分みたいな。
私が中高生の頃コニー・コリンズ・ショーがあったら多分アンディ・ウィリアムズ・ショーより夢中になっていたことは確かよ。コニー役のマースデンさんの笑顔も妙に印象的に可愛いじゃないですか?
ストーリーもとても素直、社会派部分?もナントほどの良いこと!で好感がもてるのですけれど、ストーリーをどうこう思う前にすっかり楽しんじゃいました。これだから・・・ミュージカルは止められない!
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