花のあと

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監督  中西健二
出演  北川景子、甲本雅裕、宮尾俊太郎、市川亀次郎、國村隼、
相築あきこ、佐藤めぐみ、伊藤歩、柄本明

見始めて風景の美しさ、静かな丁寧な映像・・・あら、「山桜」と同じ監督の作品かしら?と思ってしまいました。 藤沢さんの作品を映像化するには・・・みたいなマニュアルが出来つつあるのかもなぁ?
それにしても私の集中力は衰えつつあるのかもしれない・・・と、思わされたのは「山桜」を映画館で見た時はその‘ため’もゆっくりした人物の大写しも景色の長回しも心地よいリズムで気持ちを載せるいい時間のように思われて堪能した気分だったのに、その映画をTVで見たときには・・・やりすぎじゃないか?じれったい、思わせぶりすぎると思えたことだ。 ま、それは映画館と自宅では見る姿勢も集中力の持続も・・・ソリャハナから違うもん!と、その時は納得したのだけれど。
この映画の場合やっぱり集中力を試されているような気がしたのは何故か? 間が重すぎるように感じたのは何故か?
いい映画を観たと思う一方でそう考えたのは何故か?
多分原作が周平さんの作品の中でも私の大好きな短編であり、あの作品に漲る人生の諧謔味、ユーモア、大らかさが、あまりにじっくり溜めた主人公のしとやか過ぎる表情の中に薄れてしまったからではなかろうか? あの作品の持つ楽しさ、威勢が消えてしまっていたのが残念に思えたからに違いない。
間は難しい、本当に難しい。特に滑稽に措いては。また、情緒に置いても。 折角きりりとした表情を見事に出せる女優さんだったので、物語の切り返しにも私はもう少しきりっとした間が欲しかったんだと思う。
現在孫に囲まれて幸せでいる老女の述懐の中の懐旧。記憶の中でより麗しくなり忘れられない恋、あの当時、親や夫に従う性であった女性の一世一代の命をかけた反逆、そして夫となった男に抱けた信頼と親愛。 悲劇的な死の上にも人間の営みは着実に続いていき、常識が導く平穏な人生もまたくる。 悲喜劇綯い交ぜになる人生をまぜっかえせる人間の強さ知恵・・・そう、そうして人は生きていくんだなあと人間を肯える素晴らしい世界がこの作品にはあるのですね。そしてまた非業に倒れるのも人なのだと、若くして倒れた人を痛み続けるのもまた人なのですね。
 以登さんは謹厳ながら面白そうな人だと思っていたけれど・・・でも俳優さんたちはなかなか見事にイメージに合っていて、良かったです。

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ハート・ロッカー

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監督  キャスリーン・ビグロー
出演  ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、ブライアン・ジェラティー、レイフ・ファインズ、デヴィッド・モース、ガイ・ピアース

我が家は「アバター」を高く評価した。実際此処では多分侵略戦争に幕が落とされる・・・映像などの美術的方面では私の評価はもっと高い。 「アバター、見てないのよ」という友人を連れて二度劇場へ行ってしまったくらいだ。
そのアバターがアカデミー賞を取れなくて、まだ情報に引っかかってもいない作品が賞を取った・・・ということなので、確かめねば・・・という気分で出かけた。
そして、呆然とした。 この映画はアメリカ人にとっては多分意味があるのだろう。あるべき映画かもしれない。だけどおぞましい!
アメリカという国、こういう映画が出てくる国でしかもそれ(こういう映画を作れるということ)が、正義?として認識されていそうな国だというおぞましさ。そしてそれを評価してしまうおぞましさ。
だって、テロを作り出したのはアメリカの対外おしつけ!民主主義政策なんじゃないの?という気が常に私の底にあるからだろう。
全ての国が日本みたいに素直ないい子ではないのよ。敗戦でショックを受け自信を完全に消失している国じゃないのよ、イラクは。
かたくなに信じる宗教もある(日本にゃ無かったわ)全く米国と違う国であの頃の日本のように完全敗北を受け入れて小さく小さくなっているわけじゃないのよ、イラクは・・・多分。
「戦争は麻薬だ」確かに。冒頭おっしゃるとおり。個人としての兵士たちは麻薬漬けになっています。ランボーを見ていなくとも、沢山のベトナムを描いた映画の何も見ていなくとも・・・「フォレスト・ガンプ」をさえ見ていなくとも・・・戦争から帰ってきた兵隊のメンタルは想像がつく、私でも。
「戦争は麻薬だ」確かに。そして戦争は経済の即効薬であり、戦争は雇用の増強薬でもある。欲しい物を手に入れる認可薬だし。
だからアメリカは戦争を止めない。止められないのではなく止めないのだ。
自分で作ってばらまいた物は自分で回収するという鉄則がここにある。自分たちで生み出した爆弾弾薬は自分たちで処理しなければならない。そのために捨ててもいい命はアメリカには多分無尽蔵にあるんだ・・・そんな風な怒りで苛々させられた。
よく思うでしょ、そのビデオ乃至写真撮ってる時間があるのならその子を助けてよ・・・って。カメラを捨ててその子を守って!って。
そう、賞をあげてる時間があるなら危険に麻痺する前に、興奮と殺戮が常態になる前に、全ての兵士が麻薬漬けになる前に・・・自分の国の兵士を当たり前の日常に戻して。
そう思ってもらいたいと思っているのなら成功なのかも?

フローズン・リバー

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監督  コートニー・ハント
出演  メリッサ・レオ、ミスティ・アッバム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・Jr、マイケル・オキーフ

「この映画渋谷でしかしていないのよー、付き合ってもらえない?」
ああ、そうだ!と、思い出した。「脳内ニューヨーク」だか?見に行った時のこの映画の予告編。他の友人とだったけれど・・・「良さそうな映画だね。」と話し合ったんだった。忘れていた。
こういうマイナー(おばさんにはね)な映画館は確かに独りでは行き難いよ。良くぞ誘ってくれました!
そしてとてつもなく素晴らしい映画に遭遇してしまった。
涙腺よりもっと奥の方にずーんと突き上げてくるものを感じていた。アメリカとカナダの国境の凍った川を挟んで様々な事情で命がけで国境を越える人々。それに法を犯し手を貸すことで生き抜き子どもを守り通そうとする追いつめられた母たち。  女性が無条件にそのまま母性本能のままに生きられた時代を思い出させられるようだ。今の時代、女性はある意味自由で好きな人生を謳歌できるようになったと見えるけれども・・・ある意味では素直な本能を封印された時代のような印象も心の底に抱いている。
いや、違うか?女性そのものが選択自由に見えて一番大事な物を人質に取られているのかも・・・と、感じさせられる時代。
なりふり構わず子どもを育てる本能だけに支配されている時の母ってなんて強く、なんて賢く、ぎりぎりの時に最高の判断が出来るんだ!だれにも示唆も教えも受けずに、やってのけられ、行動でき、受け入れることも出来るんだ!
凄い!こんなにシンプルでこんなに強くてこんなに意志に溢れている。母を母というだけで尊重できる女性たち。
戦後の日本の母たちも皆こんな風に生きたんじゃないか?戦国期や混乱期、男達がいないも同然の時代にはこんな女性が母だったんじゃないか? レイがライラが本当に大きく見えて、涙で霞んだ。

バレンタインデー

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監督  ゲイリー・マーシャル
出演  アシュトン・カッチャー、ブラッドリー・クーパー、ジェシカ・アルバ、ジェニファー・ガーナー、ジュリア・ロバーツ、ジェシカ・ビール、アン・ハサウェー、エマ・ロバーツ、シャーリー・マクレーン、ジュージ・ロペス、パトリック・デンプシー、
クィーン・ラティファ、キャシー・ベイツ、ジェィミー・フォックス
イベント、時期物、季節物? 全くやきがまわったなー!
いくら旦那が飲み会でいない夜だからって・・・バレンタインデーイヴに、おまけに土曜の夜に、こんな映画見に行くなんて・・・我ながらアホさ! 「日をすっかり忘れていたんだよー」と立ち上がって言い訳したい気持ち。 周りには、ものの見事に若い、子供の?カップルばかりが申し合わせたように大バケツのポプコーンと飲み物のトレーを男の子に持たせてズンズン席を占めていく。そのすき間に埋まって・・・「あああ、バレンタインディーか!」
でもって映画は上手く・・・確かにまぁ上手に作られていたとはいえ、顔見せ映画!だし。全く確かにものの見事に各年代の気持ちをくすぐってくれてるし・・・すいている映画館でだったらそこそこ様々なゴシップ思い出したり、過去の出演映画やTVドラマ思い出して、それなりにくすくす笑って見るんだろうけれどね。
ま、そういう映画でしたよ。あの人・・・えー、何で見たんだっけ?あの人、ブラッドリー・クーパーの恋人を演じた男優、全盛期を過ぎたスポーツ選手。それが思い出せないのがイマイチ頭に引っかかっている(エリック・デイン「マーリー世界一おばかな犬・・・」だった)。それにしてもブラッドリーの目は青なんだろうけれど、いつもなんであんなに光っているんだろう?彼の目を見るとエラリー・クィーンの銀色に輝く目を思い起こすんだ。ブラッドリーのは青なのに。でも、彼とジュリア・ロバーツの話が一番面白かったかも?どうなるんだ?と引っぱられて・・・あの落ちか!
アンのおかしなエピソードは笑えたし・・・ジェニファー・ガーナーがTVドラマで見るあのキャラクターよりずっと愛らしくて・・・可愛いし。パトリックはやっぱり浮気男か・・・。シャーリーの顔の表情の乏しさが気になって・・・森光子さんを思い出してしまったり。「バレンタインデーなんて大嫌いだ!」パーティの成り行きも楽しめたし。
物語りも跳びまくり切り取りまくり・・・するように、私の思いもアッチへ跳びコッチヘ跳ね・・・。
我が家の男性陣へのチョコレートを忘れていたけれど・・・どうやらそれで正解なんだ・・・と安心したり? 

バレエ映画

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「パリ、オペラ座のすべて」
「ベジャール、そしてバレエはつづく」

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昨年の年末、今年の年の初め、続けて渋谷まで映画を見に出かけました。バレエ漫画全盛の頃に?育ったせいか?漫画そのものはもう殆ど覚えていないのに・・・骨の髄の何処か隅っこに妙に中途半端なバレエ愛好気分がしみこんでいるらしい。
大昔、日生劇場でパリオペラ座の?白鳥の湖を見たのが唯一のプロの舞台という私ですが・・・踊りは日舞から洋舞・・・古典からモダン、なんでも・・・見るのは大好きです。踊っているのを見ていると・・・その躍動感に見も心もまさに天国に釣り上げられるのです。生まれ変わったらリバーダンスのダンサーなんてのもありか?いやいやミズスマシがせいぜい?
「フットルース」見てだって、「雨に唄えば」「バンドワゴン」見てだって・・・「ウエスト・サイド物語」なんか特別中の特別だけど。ミュージカルなら殆どステキ!ですけれど・・・というわけで当然!バレエなんて最高でしょう?
で、バレエの映画というとぱっと思い出せるのは・・・「赤い靴(1948)」「愛と悲しみのボレロ(1981)」「白夜(1985)」「リトルダンサー(2000)」「オーロラ(2006)」ですか・・・。
「赤い靴」なんて、私が生まれた年の映画です。一体何時頃見たものだか・・・それでも赤い靴で踊り続ける場面は忘れられませんもの!でもやっぱり圧巻は映画の冒頭だということもあるのでしょうが・・・ジョルジュ・ドンのボレロ!圧倒されます。ずーっとそこだけ繰り返し繰り返し見ていたいです。っていうかあの映画そのものはそんなに好きではありません。あの映画はあのボレロを見るためのものです。そのジョルジュ・ドンさんを「ベジャール・・・」でまた見ることが出来ました。
そして、あの「白夜」!「白夜」は、あの冒頭は、息を飲みました。本当に息していなかったんじゃないかなぁ・・・と、思います。ミハイル・バリシニコフの名は絶対忘れないだろうと思いました。私と同い年だし!この映画で衝撃を受けたので・・・やっと?他の映画にも出ているのを発見しました。「愛と喝采の日々(1977)」あぁ、これもバレエものでした。でも一番驚いたのはTVドラマ「SATC」でキャリーの恋人で出てきた時!でも、ま、あれは忘れよう。私にとってはあの冒頭の踊りだけで彼は永遠。あの映画はグレゴリー・ハインズのタップと共に忘れられないものになりました。
アダム・クーパーさんも名前だけ知っていたのが「リトルダンサー」で始めて見ることが出来ましたし、反対にニコラ・ル・リッシュさんは映画で見て始めて知りましたけれど、前のお二人同様多分このお二人の舞台も一生見ることも無いだろうと思いますね。
だからこそ?バレエ映画は捨てがたい、ありがたいものだと思って、また素晴らしいダンサーが素晴らしい場面をフィルムに刻んで欲しいなぁ・・・と、思うのです。
「パリ・オペラ座のすべて」と「ベジャール、そしてバレエはつづく」はだから、私にはありがたい映画でした。多分?私みたいなおばさんが結構あの満席の映画館にはいたんじゃないかなぁ?

パブリック・エネミーズ

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「パブリック・エネミーズ」

監督    マイケル・マン
出演  ジョニー・デップ、マリオン・コティヤール、クリスチャン・ベイル、ビリー・クラダップ、スティーヴン・ドーフ、スティーヴン・ラング、デヴィッド・ウエンハム、ジェームズ・ルッソ、ジョバンニ・リビシ、マット・クレイヴン
予告編で見たとき「ああ、こういう映画待っていたのよ。ジョニーがジョニーらしく?普通にいい男に見える映画をね」と、思って友人と楽しみにしていました。
だって、ジョニーがジョニーと思える映画って意外に少ないんですよ。ジョニーがジョニーに見えない映画で活躍しすぎるからでしょうか?実はあっちがジョニーだったりする?俳優が演技派になろうとすると・・・妙に癖のある役柄を好んで出たりするようになる?大体ブラピもブラピを堪能させてくれる映画「ジョー・ブラック・・・」くらいしかないじゃないの・・・と、憤慨していますよ。
同じくジョニデが凄くいいなと思ったのは「ギルバート・・・」に尽きる?ま、他にもあることはあったけどさ、で実は他のジョニデもそれはそれで十分楽しんでいるんだけれどさ・・・でもさ・・・と、思うわけです。
実際のところ何ならジョニデがジョニデに思えるかわからないんですけど。大体友人がジョニデっていうから使ってますが、実は使いたくないんです本当は。こんな風に混乱するくらい?この俳優さんは目が離せません。ごたごた書いたのは結局この映画、期待したほど満足しなかったって事なのかなぁ・・・と、今ゆっくり思っているところです。
マリオンさんは本当に綺麗でしたけれど(ピアフの老け役した人とはとても思えん!)・・・恋は描きそこなったかも。あの二人一目ぼれ、ドボンと落ち込んだにしても・・・だとしても、永遠の絆結べたようには・・・そこまでは描きこめませんでしたものね。確かにマリオンさんの瞳は乾杯できるくらいステキだったけど。恋も描き切れなかったし男達の絆も描ききれませんでしたね。誰が誰でどういう深い信頼関係があったのか・・・あれよあれよ・・・で片っ端から死んでゆく。
デリンジャーが輝いたのは、勿論悪の世界で、ほんの一瞬。時代のスピードについてゆけなかった強盗。時代が必要とする悪のスピードに乗れなかったんだね、置いていかれたんだ・・・という悲しみはあったけれど。だから次々に出てくるフーバー長官とか男達を「えーとこの人何で見たんだっけ?」とか「あーこの人もこの手の映画によく出てくる人だ」なんてことばかり。「デヴィド・ウエンハムさん待ってたのよ」とか、そうフーバーさんは「ビッグフィッシュのあの息子だ!」とか、「クリスチャンさんはほんと押し出しがいいよね」とか、最後に目立った捜査官、スティーブン・ラング?「この人のこの顔と目はこの手の映画には必須だね」とか?まぁ前半のジョニーは颯爽と登場して・・・それなりに飢えていた部分の何分かは埋めてくれたんだけれど・・・でもやっぱりジョニーは素直じゃないんだなぁ・・・と、ため息をついたって処ですか。

パイレーツ・ロック

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監督  リチャード・カーティス
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン、ビル・ナイ、ケネス・ブラナー、リス・エヴァンス、トム・スターリッジ、ジャック・ダベンポート、エマ・トンプソン、ラルフ・ブラウン、リス・ダービー、ウィル・アダムスデイル、トム・ブルック、ニック・フロスト、ラルフ・ブラウン、トム・ウィズダム、クリス・オダウト
これだけ知っている顔が出るともうなんともそれだけで面白く心の中はお祭騒ぎですね。それに音楽!
楽しむ姿勢十分で行って、間違いなく十分楽しんできました!
見終わって、ランチに行く足が踊るくらいですよ。
しかし彼らにはなんか踊りの血というかロックの血というか、が洩れなく備わっているんですね。
ホフマンさんのアンナ姿・・・たまんない!ビルさんは勿論承知していましたけれどね・・・やっぱり見ると幸せ感でいっぱいにしてくれる。彼の声凄く好きですね。なんかズーッとバックで流しておきたい感じ。ケネスさん損な役回りで踊れなくて気の毒・・・みたい。ジャック・ダベンポートさんもこんな役?ホント、可哀相!です。
トム・スターリッジってあの「華麗なる恋の舞台で」の母親に恋しているような息子をした坊やです。あの目、絶対忘れませんよ。
「エマどこにいた?」終るや否や「楽しかったぁ!」の科白の後に友人に聞かれたのがこれです。 「エマ?カールのお母さんしかいないよね?」でも、白状するとエマには気が付きませんでしたよ。あのお母さんエマのキャラじゃないですもん。カールの幻のお父さん・・・あの船で暮らしていて・・・「誰だ?」って・・・笑えた。俳優さんたちは達者でセンスがあって、本人達も楽しんでいたし?というわけで、かなり危ないところも含めて大いに笑って楽しみました。それ以外に言うことあるかな?

バンク・ジョブ

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ジェイソン・ステイサム, サフロン・バロウズ, リチャード・リンターン, デヴィッド・スーシェ, ロジャー・ドナルドソンジェネオン エンタテインメント 2009-03-25
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監督  ロジャー・ドナルドソン
出演  ジェイソン・ステイサム、サフロン・バロウズ、リチャード・リンターン、デヴィッド・スーシェ、スティーヴン・キャンベル・ムア、ダニエル・メイズ、キーリー・ボーズ、マイルズ・アークハート

「その土曜日、・・・」を見たくてギンレイへ行ったので二本立て。この映画の知識は全く無く、ステイサムさんが主演だと分かった時点でアクション映画・・・B級?・・・なんだぁ・・・みたいな・・・
ところがなんとこの映画にデヴィッド・スーシェさんが出ていたんですね。ポワロ以外の役で見たいと思っているわけではないのですが・・・今まで映画で見た彼はなんか思わせぶりな役柄ばかりで輝く場面が無いような・・・酷薄なテロリストとか出てきただけで役にたたない刑事とか・・・がっかりでしたから。そして今度も余りやって欲しくない役柄でしたけれど、ポワロ目じゃないこの人の目は結構怖いんです。だから・・・仕方ない?
ところが映画そのものは思ったよりズーッと楽しめたんです。
実際随分頼りない寄せ集めのメンバーでよく出来たよね、こんな銀行強盗!都合のいい棚ボタで・・・ところが後でなんとこれは実話ですと!
赤毛連盟絶対思い出すわよね?それで現代の実話だって言うんだから結構嬉しくなっちゃう。私にはもうわけの分からないハイテク過ぎる強盗じゃなくて・・・素人っぽくてハラハラよ。これならワクワク出来るじゃないの!って感じです。
しかも、なんと、英国王女スキャンダルですと?・・・っていっても驚きません。英国王室はスキャンダラスだらけで開かれすぎた王室って感じがしていますし・・・確かに手に負えないマーガレット王女っていたような?
スーシェさんの組織の親分さん?きっちり警察官への賄賂記帳して、またこれを銀行の貸し金庫に預けてあるという丁寧さ&売春宿のオカミサン?政府高官の危ない写真も貸し金庫!王室スキャンダル写真も貸し金庫。貸し金庫って覗けたら・・・実に面白そうですね?
危機対策?が裏目ってわけで・・・結局政府筋?にも、M16?筋にも、かなり棚ボタ的解決で犯人側も痛みわけ・・・って感じですが、裏の裏が全部分かりやすくて乗れました。あっちこっちの思惑がカラコロ入れ替わって七転八転。しかし警察腐敗は目も当てられないから頼れないし、裏社会にも落とし穴があるし・・・。それでも情けない強盗の親分と思われたテリーの最後の機転・・・スリルあった!し、後味も良かったですね。
これはこれで楽しめるもんだなぁ!・・・って感想。私にも棚ボタ!

ベルサイユの子

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監督  ピエール・ショレール
出演  ギョーム・ドパルデュー、マックス・ベセット・ドゥ・マルグレーヴ、ジュディット・シュムラ、パトリック・デカン、オーレ・アッティカ

一緒に行った友人は「彼の削げた横顔にかっ攫われちゃった!」そうなんですが・・・実際私は彼の顔が分からなかったようなんです。そう書くのはおかしいのですが・・・私は昨年「ランジェ公爵夫人」を見ているんです。あの映画も実に映像が暗くて・・・一体見せる気があるのか?見る努力を強いるのが芸術だと思っているんじゃないでしょうね?」みたいに思わせぶりな、あまり目に優しくない映画でした。で結局物語が物語で、主人公たちの人間性が明確にならなくて、私は彼の顔を掴み損ねたようでした。そこに持ってきてこの映画です。
この映画も「フランス映画って!」と嘆かせる曲者でした。特に前半は目を凝らすのに一生懸命ってところがありました。静かで・・・暗い!でお隣のお隣の大きな奥様は鼾を書く有様。
ランジェ公爵夫人のギョームとこの映画のギョームとの間には大きな広い川が流れているようですが(確かに両極端の男性像です)、どっちの作品からも漂ってきて感じさせられたのは横顔のはっきりしない難しいあいまいな男です。個性は強いのに・・・固定できない影の中です。
さてこの映画ですが・・・どこの国にもホームレスの住みやすいところってあるのでしょうね。この場合あのベルサイユ、観光客で賑わい・・・実際私も明るい部分だけはしゃいで輝きに目を奪われて廻ってきましたが・・・あのベルサイユのあの美しい庭園の向うに広がる広大な森林にあんなに人々が住んでいるとは思いもかけませんでした。
ダミアンは否応無く子供を押し付けられ・・・多分長い間考える事を放棄していた「生きること」を考えたのでしょう。いたいけな子供が戸籍もしたがってなんの権利も無く世の中に放り出されたということの結果を考えたのでしょうね。病気を助けられて・・・なお更真摯になったのでしょう。でも自分ひとりの力では出来なかったのです。そして・・・子供に家庭と戸籍と権利を与えて・・・つまり自分の実の父親に責任を丸投げして・・・素の自分に戻って行きます。役所で自分の(詐称した)経歴を語るとき・・・麻薬や病歴は本当の事を語ったのでしょうね・・・で、私は彼はあの森で今度は助ける人も無く亡くなってしまう道を選んだのかも・・・と、思ってしまいました。
それはどうしても?役者本人の影とどうしてもダブってしまったからでしょうか。働こうとしても働ける身体を彼はもう持っていなかったのですし、自分を回復させる・・・そこまでは父に頼りたくも無かったから・・・っていう気がしてならなかったのです。
私にもう一つ頷けないのはエンゾの母です。子供連れて避難し、働く機会も施設もあったのに・・・彼女が選んだあの新聞の彼女はどんな主張を新聞に載せていたのでしょう?そこがもう一つ分からなくて、この母の言い訳が素直に滲みてきませんでした。
エンゾがとりあえず母を受け入れてもその後は?とどうしても思ってしまうのです。
それでもダミアンからエンゾが受け継いだもの・・・今一あいまいな形ではあっても「勇気」は・・・心に残ったのでしょう。
 

フロスト×ニクソン

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監督  ロン・ハワード
出演  フランク・ランジェラ、マイケル・シーン、ケビン・ベーコン、オリヴァー・プラット、サム・ロックウェル、スイフティー・リザール、マシュー・マクファディン、キャロライン・クッシング

ニクソンももう歴史の彼方かぁ・・・と指を折ってその後のアメリカ大統領を数え、目を宙に泳がす私ですが・・・
映画館は圧倒的に男性一人客でした。
全く男と言うのは歴史好きというより政治好き、あるいは戦闘好きなんですよね?舌戦も戦闘のひとつ?公開討論はそのままひとつの闘争です。この映画はその怖さを教えてくれます。
私にとってはフランクさんの名演技を見られるのが楽しみの一つでした。「ドラキュラ」の項目を読んでいただければ、少なからず私の記憶の中の一部をちゃんと占めている人だということが判って頂けるでしょう。おまけにケヴィンというステキなおまけが付いていたのですから。だからこんな事を書くのは映画の感想とはいえませんよね?やった事はやった事として、でも完全に私はニクソン側に付いちゃいましたものね。功罪の功をも見てあげたいな・・・みたいな?
実際よほど大きな器の人で無い限り勝利者というのはおごりが垣間見えた段階で品が落ちます・・・様な気がします。(この点ではフロストさんって結構気配りの人ですよ、たいしたものだ!)
特に外野席にいて負けたほうの表情を見てしまった場合なんぞ!
呆然として、その人のそれまでつけていた仮面がはがれ落ちて素顔がバッチリ現れてしまったのを見てしまったりすれば。
その意味ではニクソンさんにフロストさんのに妙にチンケ(本当にゴメンナサイ、この手の童顔誠に苦手です)な「ぶりっ子風な風貌に騙されちゃったらダメよ!」って囁いてあげたくなるくらいですもの。
あんなに余裕を持ってあしらえていたニクソンにどんな魔が差したんでしょう。あの電話一本。甘く見させるるのがフロストの最初からの手だったとしても・・・。あれで彼の本当のというか芸能人に過ぎなかった(かもしれない)魂にインタヴュアーの魂が生まれちゃったんですか。ゴングが鳴っちゃったんでしょうか?折角ブレインを揃えながら役に立てていなかったフロストが最後の日に賭けて出た心理。このインタヴューで政治にも強い事をアッピールし、経済的成功をも目論む?こういうタイプの記者というかTVマン?こういう存在そのものが有り得ない様な不思議な職業。日本にはいないでしょう?スポンサーをかき集めて自分で作って自分で売りに行く?
両者の思惑がぴたっと合わさって始まり終息した戦いの結末は・・・やはり見ごたえ十分でした。
インタヴューの最後に見せた表情、あのワンカットが全ての映画で、それが永遠に残る映像になりました。
最後のニクソンの衰えた姿も印象的でした。70歳のフランクさんまだまだ頑張ってね!しかしいい声ですねぇ。
 

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