おくりびと

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監督  滝田洋二郎
出演  本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史、杉本哲太、峰岸徹

友人に誘われて出かけました。一人だったら行かなかったでしょうから、彼女に感謝です。「落語娘」で、早々と今年の邦画を棚卸し始めたのはやはり早とちりでした。彼女が言うには「「容疑者X・・・」も来月封切りよ。」だそうです。まぁ、落ち着いて見ればまだ丸々今年も3ヶ月残していました。封切り直後の銀座のレディスデー、満席でしたが、もっ君ファン?
いい映画でした!
美しさが印象に残っています。
山形の主人公の田舎の一年の季節の景色の美しさ!
それに意外なくらい様式に徹した?納棺師の仕事手順の所作が美しく見えたのですよね。
丁度茶道の布巾でお茶碗を拭くときのような?柄杓で湯を掬うときのような指や手の動きですか。
京都でヘルパー修行をしていたとき、あと少しの実地訓練で資格が取れるという時に転勤になって残念だったのですが、あの時寝たきりの方の着替え・清拭の練習は上手になればなるほど無駄が無く、綺麗に見えるものだと、教えてくださる方の手によってその方の習熟度が見えたものでしたっけ。そんな事を思い出しました。
美しく出来る方がするほうの人の体も楽なんです。
大事にていねいに扱われる死者の方とそれを見守る方々の表情で、死が静かに受け入れられていくのが見えるような気までしました。
そういえば私は納棺師の仕事見ていないのです。
母が亡くなったとき母の脇にいたのは私一人でしたが、直ぐ長男の奥さんが母に着せる着物を持って飛んで着てくれ、彼女が付添って母が病室から出された後、病室の後始末をしていた私は、その後実家に帰ってみると母はもう好きだった着物を着て納まっていました。
あの間にこんな儀式があったのかしら?それとも病院で亡くなった方は直ぐお棺に納められるのでその過程が慌しく行われて、あの厳粛な光景はもう余り見られないのかしら?そんなことに気が付かなかったなぁ・・・「今度弟に会ったら聞いて見なくちゃ・・・」と、思ったのですが。もしそのような儀式(儀式と見えました!)があったのなら、家族全員が皆揃うまで待っていて欲しかったなぁ・・・と思います。
物語の中にちりばめられたいろいろな死や彼と妻の変化、山崎さん余さん高野さんの落ち着いた味わい深い演技と、すべてがしっくりして、あの山や田んぼを背景とする演奏の姿までが違和感無く収まりました。キスマークだらけのおじいちゃんのような死に方が出来ますように!死の現場を描いて、ほっとするようないい余韻があります。

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納棺夫日記 (文春文庫) 納棺夫日記 (文春文庫)
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この自由な世界で

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「この自由な世界で」

監督  ケン・ローチ
出演  カーストン・ウェアリング、ジュリエット・エリス、レズワス・ジュリック、ジョー・シフリート、コリン・コフリン、レイモンド・マーンズ

この監督の「麦の穂をゆらす風」という映画が私に忘れられない印象を植え付けたので、その時も何もできない自分を再確認しただけだったのだけど、なんと不遜なことに!やっぱりたまには目を開かせていただかないとただただ怠惰に流れる自分を知っていますし・・・考えるだけしか出来なくとも、でもそれは必要なことではないか?という気もするし・・・。というわけで出かけました。
そしてまたあの時と同じように、私は自分の住む安易な時と場所に何もできない自分を見出して忸怩としています。
だって、この安全である程度満ち足りている生活は、絶対何処かで何かを踏んずけていることは意識できますもの。
隅田川を下ればブルーテントの膨大な居住者、ニュースを見れば金日成の死亡如何ではの緊迫した北朝鮮の難民の話題、アメリカの底知れなくなりそうな世界中を巻き込む恐慌、その社会でとりあえず安穏としていられる者は搾取している側でないと言い切れますか?
というより、この映画を見た後では自由社会は搾取自由社会ということですと思いしらされます。「何をしても自由」という世界があっていいはずはないのに、弱い者も、もっと弱いものから搾取する自由。それに気が付いてしまった、その泥沼のうまみを知ってしまった主人公が怖かったです。
付いていけなくなって袂を分かった友人も、掴んだ金は手放さなかったですものね。人は手に入れた、それも自分の才覚で手に入れた物はなかなか離せるものではありません。こんな怖い思いをしても、彼女はまだ何とか自分の才覚を頼ってやっていける、搾取できる弱者はそれこそ世界中に山のようにいると言う事を知ってしまっていますから。父母のようにつましく生きる生活にはうんざりしている。自分を生かしてくれなかった男会社には目に物を見せてやりたい。
自分は踏みつけられたのだから今度は踏みつけるものがあればそれを土台に・・・金!金!金!に縛られていることにはもう気が付くことはなくて。この哀れな連鎖、彼女から取り返した男たちもその上にそびえる社会には何もできない。出来る範囲は自分の力で抑えられる範囲。巨大な社会の仕組みの前には彼らの力は無力過ぎる。どうしてもこの連鎖は切れない、ここで彼女がつぶれても、また何処かで彼女と同じ人が生まれる・・・それが重なり合ってその仕組みの上に無意識の人々が乗って複雑怪奇に世界は回っている。自分はどこのどんな駒なのかもう分からない・・・でもそこに生きている、その上に安穏をむさぼっている。なんとおぞましい!と思いながら同情も共感も哀れみもさげすみも何の意味もないと思いつつ、それでも彼女の生きる強さ、逞しさに圧倒されて、「凄い!}と思い、ただただ感歎する私も確かにいる。

二作見ただけだけれど、この監督は演技者を選び出す才能が凄い!

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落下の王国

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監督  ターセム
出演  リー・ベイス、カティンカ・ウンタルー、ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、レオ・ビル、ジュリアン・ブリーチ、マーカス・ウェズリー、ロビン・スミス、ジットウ・ヴェルマ、エミール・ホスティナ
予告編とチラシにトルコのガラタ・メヴィラーナ博物館で知ったセマーゼンという旋舞の映像を見た時、既に「見に行く!」と、決めていた。そのトルコ部分の映像は紡がれる物語のほんの一部分に過ぎなかったけれど、あの忘我を感じさせる映像はこの映画を象徴していたなぁという感じが見終わった今している。
映画はなんともアレキサンドリアを演じた少女が素晴らしくて、ただもう彼女の笑顔・笑い声・泣き顔・泣き声に虜になってしまった。特に最後の意識が戻ってから、悲しくなる一方のお話にただもう泣いて泣いてロイに物語の主人公を助けてと泣きつくところ・・・もう、私も泣くしかないじゃない?
それにしても骨折を直すギブスの形が何でああなの?あの不自然な形から物語のおかしな方向付けが始まるような不思議な錯覚。
それにしても絶望の底にいる青年のつむぐお話にあの色彩をつけていったのはあの少女なのよね。そう思うと幼い魂の想像力の翼の底知れない可能性を感じてしまう。ロイは思惑があって、アレキサンドリアの名前に触発されて、寝たままの絶望的な状況から物語を紡いでいるのだから、きっと彼の頭の中に広がる世界は味気ないモノクロだったのだろうな・・・でも生き生きとして弾む少女はロマンの中に夢の色彩とめくるめくシチュエーションを構築していけたのだろうな・・・なんて思いながら繰り広げられる現実と物語の二重の世界に私も包み込まれていってしまった。
これが美しい世界遺産やロケ現場のただの記録映像にならなかったのは現実のロイの絶望へと走る思いが切実だったこともあるけれど、それ以上にこの少女の生き生きとした好奇心、物語にワクワク出来る豊かな感情、そして家族を思いやるなんともいえない利発な優しさが見るものの心に迫ってくるからだろう。
そして彼女の物語へのめりこむ一生懸命さが、彼の心の中の映像に色を付けていって、それは二人の紡ぐ物語になったのだろうな。
映像の美しさは、物語の登場人物の個性に益々裏打ちされて、もう絶対私の頭のどこかのスクリーンに投射されたまま永遠にしまいこまれてしまったんじゃなかろうか?と思わせられた。
子供の頃大好きだった「黒い海賊」のあの悲しい物語が髣髴としてあの頃ぽとぽと本の上に涙を落として泣いたように泣きたい気持ちになってしまった。
黒い海賊が父からロイに変化を遂げて、最後にその境目が少女の中ではなくなっていく。彼女は成長していく・・・ということが進行形で見えて来るようで・・・それも切ない。

落語娘

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落語娘 (講談社文庫 な 73-1) 落語娘 (講談社文庫 な 73-1)
永田 俊也講談社 2008-06-13
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監督  中原俊
出演  ミムラ、津川雅彦、益岡徹、伊藤かずえ、絵沢萌子、森本亮治、春風亭昇太、なぎら健壱、金田龍之介

今年の邦画では好感度「山桜」に次ぐ位置かな?はて?今年は余り印象の強い日本映画が少ないのかな?そんなはず無いけれどなぁ・・・面白かったのは・・・「相棒」?「チーム・・・」「クライマーズ・・・」は圧倒的に本だったし・・・小品の「アフター・・・」「ジャージ・・・」「歩いて・・・」なんてのとどうよ?このまだ真夏って暑さに繰り出して年末みたいに今年の邦画を総棚ざらい?そりゃ早過ぎ!
これは津川さんの映画でしたね。「面白かったところは・・・?」って思い返すと津川さんと絵沢さんの顔ばかり浮かんでくるのですもん。
若い時はイヤミな男だと思っていたもんですが(失礼)、今じゃ男は遊ぶと味が出るもんかな?なんてついうっかり思わされてしまいそうなほど面白い俳優さんですよ。
ほんのおつまみ程度の高座だったのが、つい「惜しい!」って声をかけたいほど本物の若手の下手な落語家さんより上手い!って思っちゃいましたもの。この前見た伊東四朗さんもよかったけれど、やっぱりもう一つ上をいっていたなぁ!味だね?決め手は。
幸いほんのちょっと前に安藤鶴夫さんの本を読んでいますからね、ちょっと前の感覚だったらあの三々亭の師匠なんて寄席系奇人変人の列には入れるような代物ではございませんってくらいなんですけれど・・・三松亭の師匠が実際に現在主流なんだろうと思うと・・・落語界の将来が・・・心配でしょう・・・?いろんな変人奇人傍若無人が生きぬけてこそ名人は生まれる!
実際途中に劇中劇みたいに下手な芝居入れなくても三々亭さんでやれたんじゃないかなぁ・・・って思えたほどでした・・・って、やっぱり・・・志ん朝さんか?先代正蔵さん?
落語のオチに映画のオチがポンとついてハイけっこう毛だらけ・・・でしたが、旦那がぽつんと言いました。「女の落語はやっぱり駄目だ、大体あの声で話し終いまで聞かされるのきついよ。うるさい!」
「低音の私のおしゃべりにもうるさい!という奴ですからね。でも確かに!ミムラさん大学落ち研のスターにしてはちょっと下手すぎって、あえて言わせていただきましょう。
でも女流落語家としては声の鍛え方、話の選び方、女性立場の新作創作ってなあの手この手の手段で・・・そのうち上手い人がでてくるんじゃないでしょうか?と、ここはぜひとも期待しておきましょう!女性の上手い朗読家、アナウンサー、講釈師、漫談、弁士・・・・・・いろいろいらあな・・・でしょ。
 

カンフーパンダ

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カンフーパンダ完全ガイドブック カンフーパンダ完全ガイドブック
もき かずこフレーベル館 2008-07
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監督  マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソン
出演(声・日本バージョン)山口達也、笹野高史、木村佳乃、石丸博也、MEGUMI、中尾彬
予告編でちょっと面白そうとは思ったものの、アニメで中国ものしかもハリウッド?なんかなぁ、「ポニョ」もまだ迷っているのに・・・夏休みで子供で混む類の映画・・・ま、やめとこ・・・って思ったのに、ただ券を頂けば、行きマース!というわけで飲み会に出かける前の旦那と時間設定もグッド!というわけで出撃。開場前に劇場入り口に並んだ列を見て、やっぱり「しまった!」かな、と、思いました。
待っている間の子供たちの賑やかさ!っていうか、うるささ!子供連れでないのは我等のみ?ま、とにかく騒ぎでした。見始めても泣く奴、退屈してぐずぐず言う奴・・・やだねぇ・・・ところがですねぇ・・・1時間半?聞こえたのはクスクスからアハハまで、笑い声だけでしたし、その時は私も笑っていました。つまり大いに笑ってきました。食い意地だけでここまで話ができるかねぇ・・・恐るべし食い意地。これだけは私も自信がある。うん、ある!と、力みかえってしまいましたよ。箸バトル、面白かったー!
大上段の勧善懲悪、パンダの想像つく範囲の性格付け、お師匠様の亀仙人?の型、高弟たちの姿勢(ジャッキー・チェンの○○拳シリーズ?全部見てんだねぇ私・・・これが!で、思い出すじゃないのね?)、皆お約束通りの安定感!いやな感じ全く無しの大人も子供も堪え得る極上さ!
ところでジャッキーが吹き替えしてるんですってねぇ・・・なのに新聞社主催の夏休み子供劇場?日本語吹き替え版だったんで・・・それがちょっと残念。
「パンダの顔が今一可愛くなかったのが難だ!」と、旦那は言っていましたが、それこそがトレンド!です。「タレパンダ、可愛い!」
って、お譲ちゃんたちは言いましたが、あれは可愛いから可愛いといったのではありませぬ。ということが分かるかなぁー?
とにかく肩もこらず、和やかに、にっこり飲み会に行く旦那を見送れましたよ!
見る予定していなかったのでパンフの取りおきが無くてちょっと残念。

セックス・アンド・ザ・シティ

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映画「セックス・アンド・ザ・シティ」オリジナル・サウンドトラック 映画「セックス・アンド・ザ・シティ」オリジナル・サウンドトラック
ファイファー・ブラザーズ・オーケストラUNIVERSAL CLASSICS(P)(M) 2008-07-23
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監督  マイケル・パトリック・キング
出演  サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・ディヴィス、シンシア・ニクソン、クリス・ノース、ジェニファー・ハドソン、デヴィッド・エイゲンバーグ、エヴァン・ハンドラー、ジェイソン・ルイス
何ていうかなぁ・・・遊園地のね、なんか派手で極彩色の乗り物にぴゃーっと飛び乗ってキャホーって楽しんできたみたいな・・・笑って、ただただ、楽しんだよ、それは確か!
お話はそこそこよく出来ていたし、共感も同感も、だから合いづちうちながら、あははと見ていた。切実じゃ無いことは無いのだけど、やっぱりこれが切実じゃぁないのねぇ。なにもかも対岸?!
「ウェー、こんな服着るかぁ?」とか「ほー、これいいじゃん!」とか「おー、こんなのが似合うなんて羨ましいなぁー」とか。感想はファッションに多かったかもね。
だって、40から50歳の間の彼女たちの年齢的?道筋は私はもうもう通り過ぎてしまった後なんだもの。でもね、彼女たちが「キャー!」って集まるところなんか私たち60過ぎの仲間でも全く同じ!
最もあそこまでにあけすけにしゃべりあえる自信は無いんだけれど、多分本音をさらけ出す勇気があったらあんなことになるのかも?いやならない!
「おほほ、日本人はシャイ過ぎますわ、あそこまであけすけになるにはあまりに・・・」ってところでしょうか、何しろ貧しさの尻尾体験有りの昭和敗戦直後団塊世代。
見終わって食事しながらの会話は主に
「ねぇ、自分を自分らしく輝かせて生きるためには一体どのくらいのお金がいるんだろう?」
「だから、そこはそこでなんだけど・・・(なんだって何よ?)ねぇあの専業主婦のシャーロットの旦那の年収はいくらぐらいいだろうね?」「ウン、やっぱり知りたいでしょ?」
「自分で稼いだ人には文句は言えないけどさ、旦那の年収知りたい」「雑誌に寄稿して、本を三冊くらい出して、そこそこ売れれば・・・あんな生活できる?」「うーん、分からん、宮部さんはもっと売れてるからキャシー以上にセレブなんだろなぁってくらいしか想像つかない(でも、宮部さんあんなになる?)」
「彼女たち、若々しくてスタイルが良くて(決して美女じゃありません)余りに羨ましかったからさ、キャリーが破綻した後の顔吃驚したけど(よくあそこまで見せたよー)間違いなく40代だったね?」「うん、ちょっと溜飲下げた。けど、サマンサのお寿司を載せた裸体、50歳には見えなかったよー、すごいねぇー」「5年で7キロ増って私と同じペースなのよねー」「ひゃー、元のがたいが違うわよ、同じに思っちゃ駄目よ!」「みんな美人じゃないのに美人に見えたのが凄いと思ったよ」「元気良かったしねぇ、生き生きしてた?」
「ヴィトンにあんな派手な色合せのバックあるの?」「あれ多分発売前のだよ」
着るのも、食べるのも、住むのも、自分は自分、それ以上にはなりようがありませんが、こういうどっぷりセレブ?日も・・・ウン・・・実害も大して無いし・・・ほんと、ないわよ!でね、いいかも?
自分探しも、結局は自分の中にしかないのかもね?でもいいものまだ見つけられるかも?自分次第でね。

SEX AND THE CITY:THE MOVIE SEX AND THE CITY:THE MOVIE
高梨 明美ランダムハウス講談社 2008-08-07
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Sex and the City エッセンシャルコレクションBOX(初回限定生産) Sex and the City エッセンシャルコレクションBOX(初回限定生産)
サラ・ジェシカ・パーカー, キム・キャトラル, クリスティン・デーヴィス, シンシア・ニクソン, ダーレン・スター;スーザン・シーデルマン;アレン・コウルター;マイケル・パトリック・キング 他パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2008-09-26
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敵こそ・わが友~戦犯クラウス・バルビーの3つの人生~

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 監督  ケヴィン・マクドナルド

ドキュメンタリー
ナチの戦犯の一人の、戦後逃げ延びて長寿をまっとう?した男の人生を丹念に様々な立場の人の証言をもとに構成した作品だった。
あらゆる戦争の度に繰り広げられる裁きと復讐の一つの典型だろうと思った。
見終わったときに最初に思ったのは「圧倒的に国って悪い!」「国は怖い!」「国は厭だ!」ということだった。
戦争が起こればその過程で勝っている方が負けている人民にすることは何時いかなる戦争でも同じだ。そのまま勝ち進んで征服してしまえば起こらないかもしれないことだが、その成り行きが覆った時には必ず復讐・報復、こういうことが起こる。しかも歴史はその繰り返しに尽きている気配。
拷問のスペシャリストで子供を含め多くのユダヤ人を死に送り出した男を、娘は「いい、やさしい父親だ」と言う。これも何時もどこでも繰り返される言葉である。
個人ではしないこと、できるはずも無い事を、戦下では出来てしまう。出来ない人間はそこでは無事に生き抜いていくもとができ無くなる。それでも迫害された人間は覆して勝ったとき今度は復讐と捌きを求める。
「殺した人間は殺されてしかるべきだ」もっともだ!
だけどそれが反対になったら?

その世界で、その時点で、よりよく生きようとすれば・・・?
戦争裁判は勝者の復讐に過ぎない。痛められた人間はその代償を求めずにはいられない・・・それももっともだ!どっちが勝ってもやることだ。
個人だったら出来ないことが国の名の下に召集された時、できるようになる。その国の名の下でしたことに個人は責任あるのか?
しなかった人間、心強くも拒否して制裁に甘んじた人間も確かにいる!そこに僅かの救いを感じるが、でもそれは僅かで、自分がそうなれる自信も無い。「・・・するってーと?」と私は考え込んでしまった。
国の名、民族の名、人種の名の下に殺された人を全部計りに乗せてつりあうように同量殺す?
教育の名の下に何時までも恨みを語り継ぎ不和を紡ぎ続けたり、また同じ教育の下にしたことにホッッカムリをする事を続けて、国というものは過去を今にする。

時には神の名の下に。
神があってもいけない!国があってもいけない!そうとしか思えなくなった私だが、特にねぇ・・・大国はもっといけない!

コレラの時代の愛

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コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985)) コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))
木村 榮一新潮社 2006-10-28
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「コレラの時代の愛」

監督  マイク・ニューウェル
出演  ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ、ベンジャミン・ブラッド、ウナクス・ウガルデ、カタリーナ・サンディノ・モレル、ヘクター・エリゾンド、リーヴ・シュレイバー、ジョン・レグイザモ、フェルナンダ・モンテネグロ
「あの日の指輪を待つきみへ」を見に行った時、その友人と「次回はこれね。」と決めていました。でも、気持ちの中では「予告編を見る限り、限りなく主人公の行為はストーカーに近い感じじゃない?いやな映画になるかも?」って危惧していました。
ところが見終わってみたら・・・「良かったじゃない、いい映画だったわ」でした。わからないものですねぇ。期待していた「アウエィー・フロム・ハー」は厭な気分の残る映画だったし、「シャーリー・マクレーンとクリストファー・プラマーが顔を揃えて悪い映画になるはずは無いじゃない?」と思って見に行った映画は何とか若い俳優さんたちに助けられた感じ?でしたし、見てみないと分からないもんだなぁ!「駄目かも」と思いながら行った映画、それも寝坊助の私が9時の早起き映画をですもん、これが「良かった!」となったら凄い得した感じ、1日ウキウキもんです。
もっともアッチコッチ違和感というか、「?」っていうか、微妙に・・・なんかなぁ・・・というか・・・なんかぴたっとしない部分はあるのですが。
「LOVE」というものの遺伝子がそもそも違う!って部分があるのかもしれませんし、コロンビアを舞台の映画っていうのも初めてだし、フェルミナとフロレンティーノって紛らわしくてイタリア喜劇みたいだし?
でも何より主人公の女性を演じたジョヴァンナさんの美しさは予告編を見たときから衝撃的で、なんて美しいのでしょう!ってつくづく見入ってしまいました。年を重ねてもやはり美しくて・・・一生恋わたる男の気持ちが分かるようでしたもの。それはこの映画の場合大事な因子です。ここが弱くてははなっからお話になりません。
手紙で恋に落ち、会って現実に目覚め、大人になって普通に確実な伴侶と結婚し、それなりに添い遂げて・・・51年余り?それが普通の幸せでしょう?その人に影のように纏わり付いて、現とは思われないような人生を揺らめいて過ごした変な男の哀れさ。
時が来たと思い、またそのときに拒絶されてもまだ諦めない思い込みはある意味どうにも理解不能だし、だいたいあの時に出かけていく凄さって・・・なんだろう?って思いますよね。それなのに見終えてよかったと思えたのはやっぱりあの一途さにかなう物はないと思ってしまったからでしょうね。熱に浮かされ続けた53年の歳月の重みにね。
そしてまた手紙で繋いで2年・・・53年目の恋の成就って?その粘り、粘着性は肉食人種じゃなければ無いだろうなっていう気もしますが・・・「もう負けた!」としかね、思えないです。それにしても何処も恋の始めは普遍的、可愛いのですね。
フェルミナの73年間は普通の女性の歩んだ年月、異常なのはフロレンティーノの歩いた53年の軌跡。背中が曲がり髪が白くなり老いていくほどに私には彼の生き様が不気味に思えましたけれど、母が息子の恋を理解し共に苦しみ助けようとする様には妙に心打たれるものがありましたね。愛というものの概念と、愛に対する寛容さの違いにある国民的気質?に気押されてしまった感じでしょうか。
恋なのか妄執なのか・・・恋が成就するのに要した年月は・・・日本だったら、日本のあの頃だったら、骸骨にさらさらと風が渡っている頃ですねぇ・・・
彼女のお父さんを演じたジョン・レグイザモという俳優さんERのヘリ事故で亡くなったドクターですよね?コロンビア出身なんですね。後、印象に残ったのはフロレンティーノの少年期を演じた俳優さんの目の生き生きした若さでした。
 

帰らない日々

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帰らない日々 (ハヤカワ文庫 NV シ 26-1) 帰らない日々 (ハヤカワ文庫 NV シ 26-1)
高瀬 素子早川書房 2008-06
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監督    テリー・ジョージ
出演  ホアキン・フェニックス、ジェニファー・コネリー、マーク・ラファロ、ミラ・ソルヴィーノ、エル・ファニング、ルーカス・アルノー、ジョン・スラッテリー

交通事故で子供を死なせてしまったのは事故か殺人か?どういう裁きが妥当なのでしょう?どう裁くべきなのでしょう?事故で人を殺した場合の罰の軽さに驚いた人は多いでしょう?
余りに身近に、誰にでも起こりうる状況を描いていて実に辛い映画でした。そう、誰でもどちらかの家族に思い入れして見たのではないでしょうか?運転する人なら誰でも、家族の車に乗せてもらう人なら誰でも。車の無い社会なんて考えられない社会で!
加害者と被害者の生活と思いをこれだけ並べて丁寧に描いていくと・・・もうどちらも悪人ではないのが解かるだけやりきれなくなってきます。
それにしても人を殺しておいて逃げる輩は許されるべきではない・・・と、思いつつ、その場になれば恐怖の余りその場から離れることしか頭に無くなるだろうとも思います。人はそんなに強くばかりもありません。実際裁判で争う飲酒運転の子供を殺した犯人なぞの記事を読むと、裁判で争うな!出来る限りの謝罪と補償に残りの人生を使い尽くせ!とか、いたいけな子供が何人も死んだ余りに悲しい事故なんかは殺したのだから死罪で償なうべき!他に遺族の悲しみをあがなう方法があるかとすら思うことがあります。
先日読んだ東野圭吾さんの「ダイイング・アイ」などを思い出すまでも無く、償って、償って、償って、それでも許しはあるか?と。
しかしこの映画で一番衝撃的に感じたのは子供を失った後の夫と妻のその後でした。最初は自分のせいと自分を責め夫の保護の下、外にも出られず自分の悲しみだけに引きこもっていた妻が、もう一人の自分を必要とする子供の存在に気が付いて徐々に日常に復帰するのと対照的に、妻と残された子供をひたすら守ろうとして理性を保っているかに見えた夫がどんどん悲しみと自責の淵に飲み込まれ引きずり込まれて復讐しか眼中に無くなっていく。男と女の違いはこの場合普遍的なものではなく、この映画の設定にすぎないと思っても、何故か女の現実的な強さに圧倒されて・・・果たして自分もだろうか?と自分を覗き込むような気持ちで見ていました。一番健気だったのは娘でしたしね。
そして償わなければ償わなければと思いつつも、自分と息子との心惹かれる生活に決別を告げられぬまま日々に流されて、償いの日を一日延ばしに延ばしているうちにのっぴきならない時が訪れてしまう犯人の心情も人事ではなくて・・・。
この場合犯人の側に正常な人間らしさがあったからこう結末が来たけれど・・・もし?と思う。もっと恐ろしい結末もありえた状況にまで追い込まれて。「もし?」の方が現実には圧倒的に多いのではないか?逃げ切る犯人の方が多いのではないか?と。検挙率の事を考えてしまう。実際、検挙率を上げることは、犯人の心の救いになる場合もあるのではないか?と。
あちらこちらで絶えることなく続いている現実を目の辺りにした気がして、切なくも悲しい映画でした。
ホアキンさんはずーっと悪人面だと思っていたけれど「ウォーク・ザ・ライン」で彼の演技力の前にひれ伏したのでした。この映画でも犯人を追い求める憑かれた父も見事でした!

あの日の指輪を待つきみへ

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監督  リチャード・アッテンボロー
出演  シャーリー・マクレーン、クリストファー・プラマー、ミーシャ・バートン、スティーヴン・アメル、ネーヴ・キャンベル、グレゴリー・スミス、ピート・ボスルスウェイト、デヴィット・アルベイ、マーティン・マッキャン

「紙屋悦子の青春」を思い出してしまいました。殆ど状況は同じでしょ。戦時下では恋人たちは同じ事を思いつくらしい。しかし、今の人は自分の将来のことまで決めておいてもらいたいものだろうか?否である。こんなこと自分の了解も無く決められてしまうなんてとんでもない!だろう。
時代と特殊な状況下の一つの心のありようとして理解しようと思えば出来ないことは無い。しかし救いの無いのは死者との約束だ。
誠実な人であればあるだけ、破約出来ないだけに縛られてしまい、その苦痛はいかばかりだろうと思う。「紙屋・・・」の場合は日本人的な、余りにも日本人的な・・・という情の絡ませ方が切なさに通じてやるせなかったが・・・アイルランドにも古風な情の世界はあったということだろうか?新婚の夫は出征前に自分が死んだら妻の面倒を見る、幸せにするという事を友人に約束させる。約束した友人はそれを守る、自分も愛していた人だから・・・でも彼女は?娘の非難がその過ぎてきた彼らの生活を物語っている。そうまでして守った約束に生かされることは無く、彼女の夫の亡くなった後の彼女の自堕落な姿勢は約束の抜け殻。娘も生まれて幸せな時が無かったわけではないだろうに、シャーリーの死んだ表情が約束を守ることに費やした時間の疲労を物語っている。だから若い時の彼女を演じたミーシャさんがあれほど美しく魅力的でなかったら・・・約束は何処かで破綻していたかもしれないのにね?でもそうしたら彼女たちの心はもっと傷ついていたろう。少なくとも夫になった青年は約束を全うすることが出来たし、愛した人と暮せたのだから。でも、死んだ心と?あーいやだ・・・とてもロマンチックとは思えないと帰って来たのだ。ラストが救いに繋がることは理解できても。
死に行く兵士とした約束につつかれながら生きてきたアイルランドの男の生き方は賞賛できても、自分も愛しているといえなかったジャックはどうだったんだろう?そしてだからこれからどうなるとも思えない・・・でも自由はやっと手元に・・・まぁほっと出来たろうね・・・「戦争って、だから・・・」と、ロマンスには乗りそこなったけれど、戦争なんてあってはならないのだとは強く思った。戦時下に始まって終わりも紛争の中。人が争い続ける限りこういう物語は戦争が生み出したあぶくのように生まれ続けるのかな?
テディを演じた人を見ていてなぜか「ウエスト・サイド物語」のリチャード・ベイマーを思い出した。妙に甘い美青年だけど私はジャックの青年時代を演じた人が好きだな。あの時もチャキリスさんが良かったように。シャーリーさんとか、クリストファーさん(変わらないよねー)とか古い俳優さんがしっかり仕事をしているのを見られるのは凄く楽しいし、若い俳優さんがどんどん素敵になっていくのを見るのも楽しい!だから映画は止められぬ。

あの日の指輪を待つきみへ (竹書房文庫 DR 206) あの日の指輪を待つきみへ (竹書房文庫 DR 206)
脚本:ピーター・ウッドワード竹書房 2008-07-10
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